山形県勢懇話会の第618回例会が29日、山形市の山形グランドホテルで開かれ、吉村美栄子知事が「令和5年度の県政運営について」と題し、講演した。吉村知事はポストコロナの県づくりに向けて重視するポイントや2023年度の主要施策を説明し、女性の県内定着や県産果物の情報発信、インバウンド(訪日客)復活に注力する考えを示した。講演に先立ち、同懇話会会長の寒河江浩二山形新聞社長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)があいさつし、講師を紹介した。以下は講演要旨。
中長期的な第4次県総合発展計画を踏まえ、社会情勢の変化に的確に対応する必要がある。23年度は▽人材の育成・確保▽産業の生産性向上・高付加価値化▽暮らしやすい「やまがた」▽やまがた強靭化(きょうじんか)―を施策展開の方向性に定めた。
人材の育成・確保では、経営者らを対象とした意識啓発セミナーの開催や、研修・訓練の宿泊費助成などで産業人材のリスキリング(学び直し)を後押しする。
東北農林専門職大学(仮称)が来年4月、新庄市に開学する。万全の態勢で新入生を迎える準備に取り組む。教育関連では、私立学校の運営・授業料の負担軽減を支援し、東北公益文科大(酒田市)の公立化・機能強化の検討を進める。
移住定住促進のため、首都圏の子育て世代が本県で仕事や子育てを体験するモデル事業を行う。若者の県内定着・回帰を促す。女性の賃金が上がらなければ、県外に流出してしまう。子育てする年代がいなくなるのは、持続可能な県づくりの観点から問題だ。
産業の生産性向上・高付加価値化に向け、産学官金による「県DX(デジタルトランスフォーメーション)推進ラボ」を創設し、企業のDXを伴走支援する。洋上風力発電の推進、次世代自動車関連産業への参入促進、水素社会実現に取り組む。
サクランボを核とした県産フルーツの情報発信に力を入れる。今年は大玉新品種「やまがた紅王」が本格デビューする。認知度アップに向けたイベントやプロモーションを展開する。
果物の魅力を発信する「フルーツ・ステーション」の最上川ふるさと総合公園(寒河江市)への整備とネットワーク化を調査・検討する。教育、観光、研修の要素を持つ施設で販売施設とは全く異なることを理解してほしい。
ポストコロナで国内外との往来が活発となる。観光産業の復活は、地域経済活性化にとって欠かせない。中でも消費額の大きいインバウンドは事業者からの期待も大きく、早い復活に向けた取り組みが必要だ。
暮らしやすい「やまがた」関連として、妊娠期から出産、子育てまで一貫した伴走型相談支援と経済的支援を一体的に行う市町村に新たに助成する。県立新庄病院が10月1日に移転開院する。ヘリポートを備えた地域救命救急センターを最上地域に初開設する。
文化芸術やスポーツに親しむ機会の充実も図る。県立博物館の移転整備を調査・検討する。本県は東北で唯一、屋内スケート場がない。スピードスケート用リンクを求める声もあり、山形市とも役割分担しながら整備していく。
災害に強い県土づくりも進める。治水対策と、ソフト・ハード両面からの土砂災害対策に取り組む。山形新幹線米沢トンネル(仮称)は「山形の未来を拓く希望のトンネル」。整備実現にオール山形で取り組んでいきたい。
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