けが人も…その不始末、野火のもと 県内乾燥で農作業、レジャー中続発

2023/3/25 08:48
今年初めて発生した野火火災の現場。気温上昇や乾燥などで多発することが懸念されている=今月7日、酒田市内

 全国的に気温が上昇し、乾燥する天候が続く中、県内では野火や林野火災が相次いでいる。今年は既にけが人が出るケースも発生しており、過去には消火しようとして、炎に巻き込まれ、亡くなったケースもある。レジャーや農作業などで屋外での活動が増え、これからの時期は乾燥も進むことから、火の取り扱いを含めて注意が必要だ。

 酒田市内で今月7日、果樹園で今年初の野火が発生した。管理していた70代女性が枝を燃やしていた際、下草に燃え広がり、女性が火を消そうとして、手足にやけどをした。翌8日には遊佐町の畑からも出火し、この際も消火をしようとした男性が足をやけどしている。

 県消防救急課によると、例年3~6月に野火・林野火災の発生は集中し、2020~22年は、この時期に全体の約6~7割が集中している。気温の上昇や好天が増え、乾燥するとともに、屋外に出る人が増えることが要因とされている。野焼きなどでの火を使った際などの、火の不始末が原因となっているケースが多く、18年には東根市の果樹園で野焼きをしていた70代男性が、燃え広がった炎に巻き込まれてやけどをし、犠牲になっている。剪定(せんてい)枝を燃やした際、服に火が燃え移ったとされる。

 アウトドアブームで野火の危険性は高まっている。近年は河川敷でキャンプのようにテントを張り、たき火をする人も増えている。山形市内の馬見ケ崎川河川敷では今月8日、バーベキューで使用したたき火台から強風で飛び火し、燃え広がる野火が起きている。

 野火や林野火災は、けが人や死亡する危険性もある一方、延焼すると鎮火まで長時間かかることも懸念され、大規模な消火活動が必要になる場合もある。県内では23日、高畠町で鎮火まで約18時間かかる野火が発生した。同課の担当者は「火の使用中はその場を離れず、使用後は完全に消火し、強風や乾燥時には野焼きなどをしないでほしい。指定された場所以外での喫煙や吸い殻の投げ捨てなどは言語道断だ」と、注意を呼びかけている。

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