コンビニで青果物、相乗効果で売り上げ増 ローソン、武田青果(天童)と連携

2023/3/16 12:36
店頭に野菜を並べる武田青果の武田雅司さん(左)と岸邦彦オーナー=山形市・ローソン山形東青田五丁目店

 コンビニ大手のローソン(東京)が天童市の武田青果(武田衛社長)と連携し、新鮮な野菜や果物を県内店舗で販売する取り組みを始めた。店頭には数十種類が安価に並び、売り切れる品が出る人気ぶりだ。店は相乗効果で他の商品の売り上げも上がり、青果店は販路開拓にもつながっている。

 青果物を販売しているのは山形市と周辺の9店舗。新型コロナウイルス禍による消費動向や市場の変化、免許を返納する高齢者の増加を受け、買い物を近場のコンビニで済ませる人が増えた。それにより生鮮品のニーズが高まった。

 北九州市の「高上青果」が始めた仕組みが基で、コンビニの集客力と青果店の知識という双方の長所が互いを補完する。東北地方では昨年3月の仙台市を皮切りに、各県に広がった。

 武田青果が市場で旬の物を仕入れ週5回、店舗に直送し、陳列と価格設定も担う。店から客の要望を聞き商品を置くことも多い。店はプロが目利きした商品が届き、客は安く、鮮度の良い品を買える利点がある。コロナ禍で消費者の購買意欲が落ち込む中、武田青果は新たな販路と顧客の開拓というメリットがある。

 山形市の山形東青田五丁目店は近くにスーパーがなく、青果物を置き始めると客数と売り上げが増えた。葉物から根菜、キノコまでラインアップは豊富で、季節の果物も並ぶ。多くは本県産で、武田青果の武田雅司さん(41)は「納品した物は全部売れる」と話す。

 1人で千円ほど買う高齢者がおり、深夜や未明に足を運ぶ若者もいる。新たな客層が増え、同店オーナーの岸邦彦さん(64)は「冷蔵庫代わりに毎日店を訪れる人がいる。マグネット効果で他の商品も売れている」と効果を実感する。ローソン山形支店の飯島大祐支店長補佐は「好評のため今後、取扱店舗を広げたい」と話した。

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