県内、インフル増加続く 免疫低下要因か、県が対策呼びかけ

2023/3/16 07:51

 県内でインフルエンザの感染が広がっている。県衛生研究所が15日に公表した44の定点医療機関を通じた今年第10週(6~12日)の患者報告数は、1定点当たり16.7人(前週比5.56人増)で、注意報レベルが続く。患者数増の要因としては、流行が過去2シーズンなかったことによる免疫の低下などが考えられる。県は換気や手洗いなど、基本的な感染対策を呼びかけている。

 同研究所の感染症発生動向調査によると、第10週の1定点当たりの患者報告数は地域別で、村山(山形市を除く)26.7人、庄内19.83人、山形市19.56人、置賜5.78人、最上0.5人。村山で警報基準の30人に迫っているほか、いずれの地域も前週より増えた。今季の集団発生は15日時点で、小中学校を中心に93件確認されている。

 インフルエンザが3季ぶりに流行している理由の一つとして阿彦忠之県医療統括監は、昨年5~7月のオーストラリアなどでの感染拡大を挙げる。感染状況は南半球が先行するとされ、海外との往来が徐々に活発化する中でウイルスが国内に持ち込まれる機会も増えたとみられる。流行がなかった過去2シーズンを経て個々の免疫が低下し、感染しやすくなっている状況も考えられるという。

 阿彦統括監は、発熱やせきなどの症状がある場合は「無理をせず、第一に外出を控えてほしい」とする。新型コロナウイルス対策としてのマスク着用は13日から個人の判断が基本となったが、マスクはインフルエンザ対策の観点からも効果があるとし、自身や周囲の状況に合わせた適切な着用を推奨している。

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