「新しい『つばさ』がやってきた」-。2024年春に営業運転を始める山形新幹線つばさの新型車両「E8系」が15日、山形市内を走り、JR山形駅ホームで関係者にお披露目された。速さだけでなく全席に電源コンセント、車いすスペースを増やしてバリアフリー対応を充実させるなど現代ニーズに対応したニューフェースの登場に駅を利用する市民らが「かっこいい」「早く乗ってみたい」などと期待を寄せた。
E8系は沿線自治体や報道機関への公開のため、約1時間ホームに停車した。新型を目にした新幹線の乗客などは足を止め、9メートルある先頭車両の長い“鼻先”が特徴の車体を、カメラに収めるなどした。山辺町北垣の住職武田裕徳さん(38)は「子どもが好きな新幹線を見ようと訪れたが、新型が止まっていて驚いた。めちゃくちゃかっこいい」と興奮気味に話し、親子で記念撮影していた。
星幼育園(山形市)年少の佐藤嵩徳ちゃん(4)は、車両センターへの格納のため新型が走る様子を目の当たりにし「大好きなE3系がなくなるのは寂しいけど、E8系も速そうで好きになりそう」とはしゃいだ。仙台市五橋中3年の柴谷琉清さん(15)は「紅花の色をグラデーションした座席の色が特徴的と聞いている。早く乗って実物を見たい」と話していた。
E8系は電源をバッテリーへの切り替えで停電に対応するトイレ、着雪対策となる台車部のヒーターなどを備える。現在1編成が完成し、先月末から山形、東北両新幹線の路線を使って試運転を行っている。E3系から順次切り替え、26年春には15編成全てがE8系となる予定だ。
この日は県や山形、米沢両市など沿線自治体の関係者約30人が視察した。吉村美栄子知事は「快適で楽しい旅ができそうだ。多くの人が利用し、交流人口拡大につながってほしい」と期待した。佐藤孝弘山形市長は「外観はスタイリッシュで、乗ると『山形に来た』と感じることができる」と述べた。
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