山形新聞社のデジタル技術を駆使した情報発信と、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する県民運動の推進を目的とした新拠点「街なかメタベース」が1日、山形市の山形グランドホテル内にオープンした。動画撮影スタジオのほか、仮想現実(VR)の体験コーナーを設けており、誰でも非現実世界を体験できる。
施設名はインターネット上の仮想空間「メタバース」と、拠点を意味する「ベース」を掛け合わせた。山形グランドホテル1階北東にある約50平方メートルの空きスペースを借り、動画撮影スタジオなどを設けた。
スタジオは、背面に緑色のスクリーンを設置し、出演者の背景を別映像と差し替えられるクロマキー技法を導入している。山形新聞の情報発信に活用するほか、動画投稿サイト・ユーチューブの公式チャンネル「Press Yamashin」の人工知能(AI)を活用した音声付き動画をモニターで紹介する。
VRの体験コーナーには専用のヘッドセットを2基準備した。蔵王や山寺、出羽三山などの360度動画を見ることができ、現地に行ったような雰囲気を味わえる。ホテルの利用客をはじめ、県民が広く親しめるように無料で開放し、デジタル技術について理解を深めてもらう。
この日、オープニングセレモニーを行い、寒河江浩二山形新聞社長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)、渡会俊輔NTT東日本山形支店長、浦山英之山形グランドホテル総支配人がテープカットを行った。寒河江社長は「まだまだ進んでいない本県のDX化に向け、メタバースで夢のある体験ができ、わくわくするような場所にしていきたい。新聞社が持つ発信力を県民に見てもらいたい」とあいさつした。
早速、来場した市民らがVRを体験した。蔵王温泉スキー場の動画を楽しんだ山形北高3年の柏倉結来(ゆら)さん(18)は「以前に蔵王に行った思い出がリアルによみがえった。スキーを楽しんでいる感じになった」と話し、同じく3年の鑓水茉妃呂(まひろ)さん(18)は「体が不自由で現地に行けないような人も楽しめる機能だと思う」と笑顔を見せた。
また山形市香澄町の佐藤エレナさん(25)は、娘の桜子ちゃん(4)と一緒に訪れてVRを体験し、「360度の光景がとてもよく、その場にいるような感覚を味わえた」と語った。
問い合わせは、街なかメタベース023(666)5430。
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