2016年10月まで使われたシルバーメタリックの山形新幹線「つばさ」が約6年半ぶりに復刻され、11日、山形発東京行き138号(午前10時57分発)で運行を開始した。山形市のJR山形駅のホームには県内外の鉄道ファンらが大勢詰め掛け、懐かしい銀色車体の再出発に沸いた。
山形新幹線は24年春に新型車両「E8系」を導入予定で、今月下旬に試運転が始まる。JR東日本は新型のお披露目に合わせてつばさを全国にPRしようと、現行の「E3系」15編成のうち1編成を銀色に塗装して当面運行する。
午前10時20分ごろ、銀色に鮮やかな緑のラインが入った車両がホームに現れると、親子連れなどが「懐かしい」と声を上げ、一斉にカメラを構えた。山形十小5年松田竣太君(11)は「今のデザインも好きだけど、シルバーの方がかっこいい」と興奮した様子だった。さいたま市から訪れた城北埼玉高1年山川瑛留駕(えるが)さん(16)は「復刻車両の運行開始を生で見たかった。関東で走る姿も撮影したい」と話した。
発車に先立ち記念セレモニーが行われ、本郷栄山形駅長が「多くの人が山形県に訪れるきっかけになればいい」とあいさつした。一日駅長の佐藤孝弘山形市長が出発合図を出し、鉄道ファンと共に手を振りながら見送った。
1992年、山形新幹線開業当初の400系は近未来的なシルバーメタリックの車体で注目を集め、99年の新庄延伸の際、E3系に切り替わった後も銀色の車体が受け継がれた。
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