山形市消防本部は、消防庁の委託事業として、消防団員の確保を目的にPR動画を制作した。若者の入団を促すため大学生のアイデアを生かし、幅広い世代に人気の動画クリエイター「勝手にオネーサン」の協力も得た。リズミカルな音楽やダンスを織り交ぜながら、地域防災に不可欠な消防団の役割を柔らかい表現で伝えている。
市の消防団員数は1447人(昨年4月時点)で、5年前に比べて約260人減っている。全国的にも同様の傾向を示している。団員確保に向けて年額報酬の引き上げを図るなどしてきた中、消防団をより身近に感じてもらおうと動画制作を企画した。
若手消防団員をはじめ、東北芸術工科大と東北文教大の学生、惺山高の生徒の計10人をメンバーに制作委員会を組織した。消防関係者と共にメンバー自身も出演している。平常時や災害時の消防団活動をしっかりと紹介しつつ、出演者の動きにユーモアも交え「バズる」(爆発的に話題が拡散される)ことを意識した。
1本15秒程度のイメージ動画を12本、団員募集の動画を計2本(3分、1分)作った。勝手にオネーサンが体験リポートしたり、消防団員が人気のダンスをしながら行進したりと見どころは多い。動画投稿サイトや、各種講習会での活用を予定している。
関係者が6日に市役所を訪れ、佐藤孝弘市長に完成を報告した。メンバーでいずれも東北芸術工科大3年の菊田美怜(みさと)さん(21)、武田ゆりさん(21)は「動画を見た人に、消防団活動を自分ごととして捉えてもらえたらうれしい」と話した。
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