県情報産業協会人材育成委員長で長年、採用や人材育成に携わってきた前盛直人さん(62)=山形市=が採用活動手記「就活の黙示録」を出版した。1万人以上の学生・若者と接する中で得た学びや気付きを、就活中の学生や採用担当者らに伝えたいとまとめた。就活に役立つ視点だけでなく、仕事や自分との向き合い方、人として成長するためのヒントが率直な言葉でつづられている。
前盛さんはソフトウエア開発などのエム・エス・アイ(山形市)の執行役員経営企画室長で、本紙のヤマガタ就活最前線に掲載しているコラム「採用担当者の視点」の筆者でもある。手記は4章で構成し、失敗する就活生と成功する就活生の違い、親の言葉に振り回されて自分を見失った就活生の結末、合同企業説明会の裏事情など、20年間の経験談が紹介されている。
企業の採用活動は教育活動だと捉える前盛さんが、採用する側の企業を一喝する回もある。今どきの若者は受け身で与えられた仕事しかしないと嘆く企業側に「受け身で保身的なのは、そのように言う企業人の方である。自分で考え自発的に行動するように教育をしたのか」と指摘し、企業、経営者の責任と断じている。
10~20代のZ世代の就活生には、就活生は社会全体の希望の太陽だとし、希望を持つこと、自分を信じること、可能性は無限にあることなどをエールとして送った。
四六判140ページ。文芸社から出版した。1320円。県内でも山形市の八文字屋本店などで扱う。
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