新作に取り組むアジアのドキュメンタリー作家らが長期滞在し、構想を深める「山形ドキュメンタリー道場」が今月、大蔵村の肘折温泉で行われている。海外からの招聘(しょうへい)は4年ぶりで作家らは約1カ月間、雪深い温泉地で集中して思考を深め、制作者同士や地域住民と交流しながら作品に磨きをかけている。
山形ドキュメンタリー道場は2018年に山形市の蔵王温泉でスタートした。ドキュメンタリー映画の上映や作家育成などを手がけるドキュメンタリー・ドリームセンター(東京)が主催する。今回は台湾から監督や編集者ら5人を招いた。1日に来県し、27日まで滞在する。
3~6日は日本の制作者も加わってワークショップを実施した。それぞれの企画を発表して率直に意見を交わしたり、最前線で活躍する講師が講義を行ったりと、活発に活動している。5日は地元住民のガイドでかんじきウオークにも挑戦し、地域の風土や文化に触れた。
映像作家の羅苡珊(ルオイーシャン)さん(26)は「朝日も見えないほどの雪壁の高さに驚いた」と話す。いま取り組んでいる作品は海外の雪山で遭難してしまった友人の話がベースになっており、今回の滞在で雪の厳しさを体験し、作品づくりにつなげたいと続ける。
17日には山形市のやまがたクリエイティブシティセンターQ1で、道場参加作家の過去作品の上映会も開かれる。
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