短期の留学制度を活用して小国高に通う一柳帆花さん(16)=愛媛県久万高原町出身=が、本県で7日に開幕するスキーの全国高校大会(インターハイ)に、愛媛代表として出場する。小国町で知見を広めアルペン選手としての腕も磨いてきた“留学生”は、「雪国の選手とは実力や練習時間の差があるが、気持ちでは負けない」。第二の古里で臨む初の晴れ舞台で、活躍を誓う。
一柳さんは高校2年生の1年間のみ別の高校に通学できる「地域みらい留学365」の制度を活用し、地元の上浮穴高(愛媛)に在籍しつつ、小国町内の寮から小国高に通学している。
父親がスキー場に勤めていたことがきっかけで、3歳からスキーを始めた。冬期間の趣味程度だったが、愛媛では競技者が少ないこともあり、中学から愛媛県スキー連盟の練習に参加するようになった。
中学時代には長野県での全国中学校スキー大会と、秋田県での国民体育大会に出場するはずだったが、新型コロナウイルス禍で大会が中止に。幻に終わった全国舞台に立つことを夢見て、高校での競技継続を決めた。地元の学校にスキー部はなく、校内の部活動には所属せず自主練習に励む日々だった。基礎体力を養いながら、冬期間は連盟の合宿に参加するなどして実力を磨いた。
留学先として小国高を選択したのは、出身地と同じような山に囲まれた環境だったから。スキーのことは意識していなかったというが、スキー場が近く、平日の練習時間が増えたこともあり「環境は良くなった」と笑顔を見せる。
寮の管理に携わる「ハウスマスター」に送迎してもらい、平日は小国町の横根スキー場、土日は蔵王や新潟県のスキー場で練習を重ねる。「愛媛にいたときは人工雪仕様の滑り方だったが、元インカレ選手のハウスマスターの指導もあって、徐々に天然雪に対応できるようになった」。愛媛県予選を勝ち抜いて出場権をつかんだ。「昨年よりも滑りがうまくなった」と手応えを感じている。
インターハイでは、最上町の赤倉温泉スキー場で行われる8日の大回転と10日の回転に挑む。同級生からは「小国から応援してる!」「自分らしく頑張って!」などと書かれた寄せ書きのサプライズプレゼントもあり「小国の人の温かさを感じる。クラスメートの応援に応えたい」と意気込んでいる。今季は、17日から岩手県で開催される冬季国体にも出場予定だ。
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