総務省の家計調査(2022年)でラーメン消費額日本一奪還を目指す山形市が、7日に結果発表を迎える。途中経過では首位に立つものの、2位につける21年首位の新潟市が追い上げ、3位には仙台市がランクインしている。さながらサッカー・Jリーグの“隣県ダービー”のような熱い戦いに、山形市やラーメン店などの関係者は「今回は負けられない」と気合十分だ。
都道府県庁所在地と政令市を対象にした家計調査は定期的に公表され、22年1~11月のデータを基に、山形市が集計した1世帯当たりの中華そば(外食)の消費額ランキングは表の通り。7日に22年の年間を通した支出額がまとまる。山形市はここまでトップを走り続けている一方で、10月以降は新潟、仙台の両市が追い上げている。現時点で山形市と2位新潟市との差は約700円ある。
21年は1位の新潟市が1万3734円、2位の山形市が1万3434円で、山形市は9年ぶりに首位を逃した。これを受け、官民挙げて「日本一」を目指す動きが活発化し、市内のラーメン店主有志がラーメンを観光資源と位置付けて地域PRに生かす「協議会」を設立した。
発起人は「ケンチャンラーメン山形」の阿部勝重さん(55)で、当初は4店舗でスタートしたが、現在は約100店舗が加盟するまでに輪が広がった。阿部さんは「2位転落は地域を盛り上げようと一致団結するきっかけになった。1位に返り咲いて『ラーメンの聖地宣言』へとつなげたい」と意気込む。
大風印刷(山形市)は市内のラーメン店と連携し、カプセルトイ機で販売する「ラーメン手形キーホルダー」を取り扱っている。店名が記されたキーホルダーを、その店に行って提示すると、大盛り無料などのサービスが受けられるシステムで、市のラーメンの消費拡大を後押ししてきた。
キーホルダーは品切れが続くほど人気だといい、同社の担当者は「1位はもう確実なのではないか」と自信をのぞかせる。4月からは新バージョンのキーホルダーを発売する予定で、「今回仮に1位になれば、以降は“防衛戦”に突入する。何年も首位を維持できるようにしたい」と続けた。
佐藤孝弘市長は「順位はもちろん、ラーメンがおいしいまちとして改めて山形市をPRする契機となっている」と受け止める。市は7日当日、1位が確定すれば、記念のセレモニーを行うなどして盛り上げたい考えだ。
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