米沢市西部の上長井地区で、雪の下で成長する伝統野菜「雪菜」の収穫が行われている。生産者は1メートルほど積もった畑の雪を掘り起こし、額に汗を浮かべながら、葉や根を切り落として出荷作業を進めている。
米沢藩9代藩主・上杉鷹山が冬場の食材として栽培を奨励したとされる。天然の雪室で、自らの葉を養分にして成長した「とう(花茎)」の部分を収穫する。現在は同市上長井雪菜生産組合(吉田清志組合長)の生産者が栽培し、湯通しして辛みを出す「ふすべ漬け」などで親しまれる。
1月中旬の雨の影響で出荷量は例年より2~3割少ないものの、品質は良好。上杉雪灯篭(どうろう)まつり(11、12日)の時期などは観光需要も増える見込みで、組合員の佐藤了(さとる)さん(75)は「せっかく米沢に来た人に、ここにしかない野菜を食べてほしい」と話していた。収穫は今月いっぱい続く。
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