雪崩が発生し、1日から全面通行止めとなっている飯豊町高峰の県道米沢飯豊線で2日、専門家が県の担当職員と共に現地調査した。雪崩の種類は、積雪全てが斜面から滑り落ちる「全層雪崩」だったと判断したが、悪天候で詳しい状況を確認できず、原因は特定できなかった。継続して調査し、通行再開に向けた対応策を検討する。
防災科学技術研究所雪氷防災研究センター新庄雪氷環境実験所(雪氷研、新庄市)の小杉健二統括主任研究員、荒川逸人(はやと)主幹研究員の2人が、発生当初の写真などと見比べながら、斜面の状態を目視で確かめた。写真では斜面の一部で地表が露出していたため、全層雪崩だったと分析した。
厳冬期の全層雪崩は珍しいといい、荒川主幹研究員は「初冬の大雪により雪の下の草木が倒れ、滑りやすい斜面状況だったことが考えられる。一時期、雨が降り続いたことも影響した可能性があり、積雪や天候のデータ、ドローンによる空撮などを基に調べる」と話した。
雪崩は1日未明に発生し、約2~7メートルの高さの雪が約40メートルにわたって道路をふさいだ。斜面に残った雪がさらに崩れる恐れがあり、現場を含む約6キロ区間の通行止めが続いている。
県内の各山岳道路でも雪崩が起きやすい状況になっているとして、国土交通省山形河川国道事務所は「通行する際は気象庁が発表している、なだれに関する情報を事前に入手するなどし意識しながら運転してほしい」としている。
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