500年以上にわたって鶴岡市黒川地区に受け継がれる国指定重要無形民俗文化財・黒川能の祭典「王祇祭(おうぎさい)」が1日夜、同地区で始まった。新型コロナウイルス禍の影響で3年ぶりの開催となった。市内外からの来場者は真夜中まで伝統の舞に見入った。
王祇祭は地区の鎮守・春日神社からご神体の王祇様を上座と下座のそれぞれの当屋に移し、能と狂言を夜通し上演する。今回は演目数を減らし、翌日午前2時ごろまでに終了するプログラムとした。今年の当屋は上座が遠藤由一さん(80)=屋号・半右衛門、下座が平親通明さん(74)=屋号・三五郎で、上座は黒川上区、下座は黒川下区の両公民館が会場となった。
午後6時に開演した。上座では子どもによる舞「大地踏(だいちふみ)」、天下太平や国土安全を祈念する「式三番(しきさんば)」に続き、天照大神(あまてらすおおみかみ)が登場する能「絵馬」などが繰り広げられ、厳かな雰囲気に包まれていた。2日は春日神社で行われる。
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