山形四小6年の石川輝忠君がNPO法人日本防災士機構(東京)が認定する防災士の試験に県内最年少となる12歳で合格した。小学生での資格取得は県内で初めて。昨年12月に登録を終え、今後、本格的に活動を始める。近年、自然災害が頻発・激甚化する中、県内唯一の小学生防災士は「防災の大切さを伝えていきたい」と意気込んでいる。
資格取得に年齢制限はなく、子どもも大人と同様に講習や試験を受けることができる。全国の最年少は9歳で、本県ではこれまで16歳が最も若かった。
石川君は東京で過ごしていた小学2年生の頃、両親の勧めもあって、消防少年団に入団した。防災・減災について学ぶ中で防災士の役割を知り、関心を持ったという。講習を受けようと思ったところに新型コロナウイルス禍が始まり、4年生の夏には本県への引っ越しも重なった。コロナ禍が落ち着くのを待ち、昨年、講習に参加した。
講習前には300ページを超える教本に目を通し、事前にリポートを作成した。2日間にわたり行われた講義で知識や技能を身に付け、他にも救急救命講習で自動体外式除細動器(AED)の使用法などを学んだ。「講習は楽しかったけど、集中力が切れそうになった」と笑顔で振り返る。
消防少年団の頃、東日本大震災の被災者から話を聞く機会があり、災害の恐ろしさを感じた。石川君は「周りの人が怖い目に遭わないために、防災の大切さを意識してもらえるように活動したい」と話し、自分にできることから一歩ずつ進めていくつもりだ。将来的には「自分で防災のイベントを企画してみたい」と目標を描き、「同世代の防災士がもっと増えてほしい」と願っている。
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