江戸、明治時代に日本海などの交易を担った北前船にちなんだ「船頭北前御膳(ごぜん)」が、来月13日から鶴岡市立加茂水族館内のレストラン「魚匠(ぎょしょう)ダイニング沖海月(おきみづき)」で提供される。江戸時代に船の新造を祝って船頭らに振る舞われたという13品のメニューで、飽海地域史研究会(酒田市、小野寺雅昭会長)と同レストランの須田剛史料理長が再現した。
豪商本間家の4代当主・光道(こうどう)は蝦夷(えぞ)地との交易を活発にしようと1808(文化5)年、本間船日吉丸を新造した。新造祝い・進水式で船頭や役人に振る舞われたとされる御膳が、酒田市史に記されていた。船頭にまつわる食文化を発信しようと、同研究会が須田料理長に協力を求めて研究を進めている。
13品はニシンと孟宗竹(もうそうちく)のタケノコの煮物、マスの紅花押しずしのほか、江戸時代に縁起物として珍重された寒ダラ汁、北前船でもたらされたとされる「むきそば」など。書かれていたのは献立のみで、味付けは須田料理長が考えた。
関係者を招いた試食会が29日、同レストランで開かれた。小野寺会長は「素材を生かした味付けで、どれもおいしい。多くの人に北前船の歴史と一緒に味わってほしい」と話した。3330円で、通年提供する。予約が必要。問い合わせは沖海月0235(64)8356。
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