新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和の動きが広がる中、スキーリゾートの蔵王(山形市)と天元台(米沢市)で、にぎわいが戻りつつある。県外客や外国人観光客の姿も見え始め、各スキー場周辺の宿泊者数は昨年比で約3~4割増えている。関係者はシーズン終盤へさらなる集客を期待する。
外国人観光客からも人気の蔵王温泉は、コロナ禍前の活気を徐々に取り戻している。蔵王温泉観光協会によると、昨年12月の同温泉の宿泊客数は2021年12月に比べ、およそ4割増えたという。スキー客が多いといい、同協会の担当者は「12月に続き今月も多い印象」と話す。直近の中華圏の春節(旧正月)期間中は、コロナ禍前ほどではないものの同圏の訪日客が見られたほか、最近は東南アジアやアラブ系の富裕層の利用客も多くなっているという。
仙台市太白区から家族4人で訪れたパート従業員岡迫由紀さん(47)は「遠出するのに後ろめたさがなくなり、普段より足を延ばして蔵王に来た」と話し、スキーを楽しんでいた。同協会の担当者は「積雪量は例年並みで、樹氷の状況も良くなっている」とアピールし、来客増に期待した。
天元台高原スキー場でも、県外客が戻りつつある。利用者の多くが県外からというスキー場内の宿泊施設「アルブ天元台」は、雪の影響で昨季より10日以上オープンが遅れたものの、今季の宿泊者数は同時期比で3割ほど多い。ツアーやスポーツ少年団などの団体予約が増えたことが要因で、コロナ禍前の水準まで回復している。海外からの観光客も目立つようになってきたという。
仙台市宮城野区から友人と4家族で訪れた会社役員熱海昌弘さん(45)は「昨年あたりから県外に遊びに行きやすくなった」と話す。同スキー場の担当者は「コロナに対する利用客の考え方が変わってきたようだ」との見解を示し、「引き続き感染対策を万全にして営業していきたい」と続けた。
|
|