山形市立図書館を「樹氷」発信拠点へ 月1勉強会や講座も企画

2023/1/27 12:54
山形市立図書館を樹氷の発信拠点にしようと活動するメンバー。樹氷をモチーフにした同市蔵王温泉PRキャラクターのじゅっきーくん(右)とも連携していきたい考えだ

 樹氷研究の第一人者である山形大名誉教授の柳沢文孝さんを中心とした有志が、山形市立図書館を樹氷の発信拠点にしようと活動している。蔵王を含む全国の樹氷の認知度向上を目指すほか、樹氷形成に影響を与える温暖化問題や歴史など幅広い分野に関心を持ってもらいたいとしている。

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 柳沢さんは2021年3月に同大教授を退官したのに合わせ、蔵王の絵はがきや樹氷に関する書籍など約3千点を同館に寄贈した。これを機に同大教授、中学校教諭、同館職員ら約10人が「樹氷の会(仮称)」をつくり、月1回勉強会を開いている。さらに資料や柳沢さんの研究が樹氷を軸とし、本県での歴史や地球環境問題、文学など多岐にわたることから、幅広い世代が図書館に親しむきっかけにしてもらう狙いもある。

 温暖化に加え、蔵王の樹氷を形成するアオモリトドマツの枯死被害は深刻で、柳沢さんは「去年は枝があった木も5、6年たつと倒れてしまう可能性がある」と危惧する。現在、同館職員が資料のリスト化を進めており、「資料を活用してもらい、樹氷の現状や環境問題、歴史を発信する人を育てていきたい」と話す。いずれ樹氷に関する知識を習得した「樹氷マイスター(仮称)」を養成する構想もある。

 勉強会は毎月最終日曜の午後1時半から同館で開いており、今月は29日の予定。2月26日は柳沢さんによる講座を企画しており、「戦時下の蔵王と山形の観光」と題し、戦時下に出版された観光パンフレットや慰問用の絵はがきなどを紹介する。いずれも参加無料。問い合わせは同館023(624)0822。

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