山形「ホテルキャッスル」閉館へ 建物老朽化、年内限り

2023/1/17 07:50
今年12月末で閉館することが明らかになったホテルキャッスル=山形市十日町4丁目

 ケン・山形ホテルマネジメント(東京、吉野速人社長)は16日、同社が運営する山形市十日町4丁目のシティーホテル「ホテルキャッスル」を今年12月末に閉館すると発表した。建物の老朽化に伴う建て替えが理由だが、閉館後の見通しなどに関し担当者は「情報がなく分からない」としている。

 従業員約120人には既に説明した。処遇については、個人面談を通じて一人一人の希望を聴き、社内で協議して対応する。この時期に閉館を明らかにした理由について、同ホテルは「宿泊や婚礼は1年先の予約を入れるお客さまもいる。ご迷惑をお掛けしないように、早めに公表した」とした。建て替えの建物概要、時期、ホテル業の先行きは不明という。

 ホテルキャッスルは1981(昭和56)年4月、山形駅前大通り沿いの十日町角に開業した。地上12階、地下3階、客室数は152室で、宴会場は10会場、レストランは3店舗ある。

 不動産業のケン・コーポレーション(東京)への事業譲渡を経て、現在は国内外30カ所以上にホテルを展開するプレミアホテルグループの一員だった。観光客だけではなくビジネス客の宿泊需要も取り込み、婚礼や各種イベント、会議にも幅広く利用されてきた。

 宿泊業界は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い一時、宿泊・宴会客数が落ち込んだ。感染が落ち着き、経済活動が再開すると、国による旅行割など後押しの効果もあって回復傾向となり、同ホテルも客数と売り上げが戻りつつあった。

 閉館までに感謝の気持ちを表す企画も展開する予定だという。同ホテルは「これまでのご愛顧に厚く御礼申し上げる。残り11カ月だが、さらなるサービスの向上に努め、最終日まで通常通り営業する」とコメントした。

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