全国各地の蚕やシルクの関係者らが集う「シルクサミット」が10日、鶴岡市先端研究産業支援センターで開かれた。約100人の参加者が講演や活動事例報告を通し、絹産業の歴史や新たな取り組みについて理解を深めた。
農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)などが2001年から全国各地で開催しており、鶴岡市では初めて。今回のテーマは「サムライゆかりのシルク―ここから先を紡ぎ出す」。旧庄内藩士が養蚕を始めた松ケ岡開墾場や、蚕が繭を作る際に最初に吐き出す糸「キビソ」のブランディングなどに関する講演が行われた。
事例報告ではMorus(モルス)(東京)の佐藤亮最高経営責任者(CEO)が、新たなタンパク源として蚕をパウダー化して食品に利用する取り組みを説明。コオロギなど他の昆虫食との違いについて「血糖値上昇を抑制する効果などの機能性成分が多数含まれるほか、飼育の際、脱走や共食いがなく高効率だ」などと語った。鶴岡市のバイオベンチャー「スパイバー」による構造タンパク質素材の研究紹介もあった。
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