伝統工芸「笹野一刀彫」で知られる米沢市笹野地区で、来年のえと「卯(う)」にちなんだ置物作りが進められている。笹野観音の近くにある工房「鷹山(ようざん)」では、大小さまざまなかわいらしいウサギが並び、出番を待っている。
笹野一刀彫の発祥は笹野観音への供え物とされ、米沢藩主上杉鷹山が豪雪に閉ざされる冬の副業として農民などに奨励して広まった。えとの置物はコシアブラなどの木材をサルキリと呼ばれる独特の刃物で削り、色付けして完成する。
3年前に父の戸田寒風さん(73)から工房を受け継いだ息子の賢太郎さん(39)は「最近は県外のお客さんが増え、新型コロナ前の状態に戻りつつある。手に取って明るい気持ちになってほしい」と話した。来年1月末までに約500個が県内外の土産物店に出荷される。
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