目覚めの驚き、快感 サッカーW杯・日本の決勝T進出、県民喜び

2022/12/3 09:31

 歴史的勝利に県内も熱狂した。サッカーのワールドカップ(W杯)1次リーグで、日本が強豪スペインを破った試合は、日本時間で2日午前4時のキックオフ。出勤、登校時には眠そうに目をこする姿も見られたが、試合を振り返ってもらうとみんな興奮気味に健闘をたたえていた。次の試合時間も真夜中(6日午前0時)、寝不足の日はもうしばらく続く。

 「めっちゃ気持ち良かった」。通学途中の山形学院高3年、斎藤凌輝(りく)さん(18)は顔を紅潮させた。開始2時間前の午前2時ごろに起床し、気持ちを高めて観戦。先制される展開ながら「良い守備をしている。チャンスはある」と反撃を願い、逆転勝ちに歓喜した。「学校で眠くなるかもしれないが、今は気持ちが高ぶっているので大丈夫」と喜びをかみしめた。

 「体格や技術が上の世界を相手に苦戦ばかりだった時代もあった。ここまで強くなれるとは」と感慨深く語るのは寒河江市島、学童保育所支援員の富樫千枝さん。優勝経験もある強豪を相手に難しい試合になると思い「ドキドキしながら」テレビを付け、終了間際の懸命の守備に心を揺さぶられた。コスタリカ戦の敗北をばねに選手が奮起してくれたとたたえ「継続と諦めない気持ちが大事だ」と日々の活力を得た様子だった。

 普段はサッカーに関心が低い人たちにも日本代表の活躍は気になる様子。山形市内の専門学校1年の竹田紅羽(くれは)さん(19)=上山市=と横山七海さん(19)=米沢市=は「強い印象がある欧州勢に勝つのはすごい。暗いニュースが多い中、スポーツで世の中が盛り上がればいい」と快進撃を期待した。

強豪撃破、勇気もらった―羽黒高サッカー部

日本代表に刺激を受け、練習に熱が入る羽黒高サッカー部=鶴岡市・同校

 年末に開催される全国高校サッカー選手権に、本県代表として出場する羽黒は日本代表の奮闘にパワーをもらい、この日の練習にも熱が入っていた。

 主将でDFの3年瀬戸遥太さん(18)はチームメートと寮のテレビで観戦した。ドイツ戦を含め力の差をひっくり返した日本代表の姿に「どんな相手でもまったくびびる必要はないと感じた」と気持ちを高ぶらせる。特にDF吉田麻也選手が集中力を切らさず、体を張り続けたプレーに刺激を受けた。県勢として16年ぶりとなる初戦突破に向け、「強豪にも勝てるという勇気をもらった。歴史を変えたい」と意気込んだ。

 コーチの佐藤大地さん(31)は「パスサッカーのスペインに対してしっかりと守りながら、パスミスを狙ってカウンターという相手の特徴に合わせた戦い方をチームで徹底していた」と代表の試合を分析。「たとえ個々の力で負けていても戦術の理解など準備を整え、メンバーがしっかりと連動すれば戦えることを改めて感じた」と話した。

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