「つり味」改め「三代目」 山形の閉店食堂、30日再出発

2022/11/25 09:02
「つり味」の味を引き継ぐ「お食事処 三代目」のオープンを控え、店舗前で記念撮影する店主の上田晃さん(右から2人目)や石沢真理子社長(中央)、池野広社長(右端)ら=山形市緑町2丁目

 50年以上にわたり市民に愛され、今年6月に閉店した山形市緑町2丁目の食堂「つり味(あじ)」。その店舗を改装した「お食事処(どころ) 三代目」が今月30日にオープンする。店主の上田晃さん(26)がつり味の看板メニューだった焼きそば、ギョーザ、ニラレバ炒め、肉丼の味を受け継ぎ、オリジナル料理も加えて提供する。

 つり味は店主だった岡崎文夫さんの父が1952(昭和27)年、山形市七日町で創業。緑町の店は岡崎さんが21歳だった69年に開店して以来、市民の胃袋を満たしてきた。岡崎さんと欣子さん夫妻が高齢となり、体力の限界を理由に6月18日、53年の歴史に幕を閉じた。

 隣にアパートを建設中の製造業ワイム(山形市)の石沢真理子社長が跡地を取得した。周辺に飲食店が少なく、行列ができたほどの名店の閉店を惜しみ、売買を仲介したトップ不動産開発(同)の池野広社長に相談。池野社長が岡崎さんに掛け合うとレシピを教えてくれることになり、山形駅前で飲食店を営む上田さんが「名店の味をなくせない」と名乗りを上げた。

 上田さんらは7月に岡崎さんの調理指導を受け、丼タレの作り方も学んだ。味を左右するフライパンや、食器も譲り受けた。「食への思いの強さと細部にわたるこだわりも学んだ」と上田さん。初代、2代目と引き継がれたつり味にちなみ、店名は「三代目」だ。

 レセプションが24日に開かれ、開店に関わった約10人が味を確かめた。焼きそばはいり卵が入った塩味で、ソースは後がけ。ギョーザは皮から手作りしモチモチ食感と“あの味”を再現。丼タレも絶賛された。石沢社長は「若者とコロナ禍で苦しむ飲食業界を応援したかった」と後押し。上田さんは「岡崎さんには『気負わないで』と言われた。先代の味を引き継ぎ、お客さまに育ててもらえる店にしたい」と話した。

メモ

 「お食事処 三代目」は1階にテーブルとカウンターの23席を設け、2階に子供連れの利用を見込み座敷席も備えた。価格は焼きそば600円、ギョーザ400円など。営業時間は午前11時半~午後1時半で、日・月曜定休。軌道に乗れば夜の営業も始め、メニューも充実させる。

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