疾走、プロレーサーへの道 山形南高2年・小林さん「F4」参戦

2022/11/4 09:46
プロレーサーの目標を掲げる小林利徠斗さん=山形市

 山形南高2年の小林利徠斗さん(17)=山形市=がトヨタの支援を受け、F1を頂点とするフォーミュラカーの入門クラス「FIA―F4選手権」に今季初参戦している。第9戦で初の表彰台(3位)に上がるなど14戦中12戦終了時点の総合順位は6位。来季参戦には残り2戦(今月5、6両日)の好成績が必須条件といい「チームに残り、来季はF4チャンピオンになる」と闘志を燃やす。

 父と訪れたレース大会の会場でレーシングカートに体験乗車し、足を踏み入れた。日本カート選手権FPジュニアカデット年間王者を経てヤマハのプログラムに参加。2021年にはF1ドライバーの小林可夢偉、中嶋一貴両選手らを輩出したトヨタのレーシングスクールを受講し、今年のトヨタのスカラシップ(奨学制度)ドライバーに選ばれた。

 丁寧なハンドル操作をコーチなどに高く評価される一方、「車体の向きを素早く変える技術などは、向上の余地が大きい」と自己分析。ブレーキやハンドル操作の走行データを活用し、同年代のチームメート3人と腕を磨き合う。サーキットでの練習機会は月1回ほどで、レース勘を培うためにeスポーツ選手としても活動し、国内トップクラスの腕前だ。

 初参戦のF4選手権(全14戦)はここまで12戦が終了。序盤こそ最高時速230キロのマシンに手こずったが、中盤以降に安定した成績を維持し、第9戦で初めて表彰台に上がった。

 奨学制度は1年ごとの選考で、F4年間王者獲得の先に国内最高峰のスーパーGTなど上位カテゴリーへの道が開ける。漠然としていたプロレーサーの夢は現実的な目標に変わったといい、小林さんは「スーパーGTや(伝統の耐久レース)ルマン24時間で走る」と自らを鼓舞する。

F4初参戦の今季第9戦で3位に入った小林利徠斗さん=9月17日、宮城県・スポーツランドSUGO

大会エントリー資金、支援募る

 FIA―F4選手権エントリーは、メーカー支援を得ても年間数百万円の資金が必要だという。小林さんはプロレーサーを目指し各種大会に参戦するため、個人・団体を問わず県内外の支援を募っている。問い合わせは父利典さん090(8781)9136。

 小林利徠斗(こばやし・りくと) 小学4年時から県内外の大会に参戦。2017年の日本カート選手権・FPジュニアカデット(10~13歳)で年間王者。21年にトヨタのレーシングスクールを受講。22年のスカラシップドライバーに選出された。全国都道府県対抗eスポーツ選手権(今年10月・栃木県)のU―18(18歳以下)の部で2位。

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