特定外来生物「アカボシゴマダラ」なぜ山形に 中国など原産のチョウ、生態系への影響要注視

2022/10/6 12:02
山形市で先月見つかった外来種のアカボシゴマダラ。関東を起点に広がりを見せている

 特定外来生物で、1990年代から関東地方で増えている中国などが原産のチョウ「アカボシゴマダラ」が近年、本県でも確認されている。山形市では先月、民家敷地内で見つかった。幼虫の餌となるエノキの葉は、オオムラサキやゴマダラチョウといった在来種と競合する。専門家は「影響を注視していく必要がある」としている。

 アカボシゴマダラの夏型の成虫は後翅(こうし)に目立つ赤色の斑紋がある。山形市松原、農業三浦一夫さん(67)は先月19日、自宅裏の柿の木周辺でアカボシゴマダラを確認した。昔から標本を作るなど昆虫に詳しいが「山形にはいないはずのチョウ。なぜここに…」と困惑気味だ。

 関東を起点に増えているのは中国原産のもの。国内には奄美諸島に亜種がいるが、自然写真家で昆虫の生態に詳しい永幡嘉之さん(49)=山形市=によると、三浦さん方で見つかったのは、模様などから中国原産の個体という。

 国内では西は近畿地方、北は宮城、福島、新潟各県でも広がりを見せている。永幡さんも昨年、山形市蔵王半郷で確認した。「山形でも2年以内ぐらいには日常生活で目に触れるようになるだろう」と推察する。

 奄美諸島の亜種と中国原産の個体は、同じ名前だが、肉眼で区別できるほど模様が異なる。永幡さんは「両者が交雑してしまったら生き物の歴史が上書きされてしまいかねない」と指摘する。一方、餌が同じ他のチョウへの影響については、周囲にエノキの葉がどれだけあるかなど、環境によって異なるため、今すぐは判断できないという。「外来種の一部には生態系に大きな被害を与えるものがある。注意を払い、身の回りの自然環境を見ていく必要がある」としている。

◆アカボシゴマダラ 全体的な色調は黒と白が広く占め、夏型は後翅によく目立つ赤色の斑紋がある。春型は赤色斑が減退し、消失する場合もある。中国、台湾などに生息する。奄美諸島に亜種がいる。奄美亜種以外が特定外来生物で、生きたままの運搬などはできない。タテハチョウ科。

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