恵みと恐さ、自然の姿 朝日連峰「紅葉を求めて」縦走ルポ(下)

2022/10/4 20:19
以東岳からオツボ峰へ向かう登山道では紅葉を楽しむことができた=1日午前7時36分

 山を下りる日は、別れを惜しむ気持ちとちょっとした安堵(あんど)とが交錯する。でも今回の朝日連峰縦走では、名残惜しさの方がいつもより強かった気がする。

 以東岳(1771メートル)からオツボ峰を経て大鳥池に向かう最終日、何度も振り返っては、紅と黄が快晴に映える山肌を目に焼き付けた。高度を下げるにつれ、快適な夜を過ごした以東小屋が少しずつ小さくなり、熊の毛皮を広げたような大鳥池が大きく見えてくる。

 「七曲がり」と呼ばれる急坂を過ぎると沢沿いを進む。一行が目の当たりにしたのは、これまでとは異なる自然の相貌だった。

復旧工事中の七ツ滝沢端を慎重に進む=1日午後0時51分

 大鳥池から流れ下る七ツ滝沢のつり橋は補修の最終段階。雪解け時季、大量の雪がワイヤロープを引っ張り、切ったらしい。さらに下ると豪雨の影響だろう、登山道が土砂でえぐられたり、流木が道にせり出したりしている箇所もあった。

 人間が到底及ばぬ力を自然は持つ。同時に山は、四季折々の恵みも与えてくれる。特に「朝日連峰の紅葉は県内有数」(山岳ガイドの吉田岳さん)。ただ、縦走途中に本紙パーティーが出会ったのは宮城、新潟、東京、関西など主に県外の登山者だった。もっと本県の愛好家にも堪能してほしい。そう切実に思った。

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