山形大好き21歳、狙うは五輪「金」 レスリング世界選手権「銅」の鏡選手

2022/9/16 09:18
初の世界選手権で表彰台に立った鏡優翔選手(東洋大・山形市出身)=8月、山形市

 レスリングの世界選手権に初出場した女子76キロ級の鏡優翔(ゆうか)選手(21)=東洋大・山形市出身=が14日、3位決定戦を制し、表彰台に立った。日本勢が苦戦してきた重量級で銅メダルを獲得し、本県出身選手としても68年ぶりの快挙。母ひとみさん(46)=さいたま市=は「すごい舞台でよくやってくれた」とたたえた。

 鏡選手は両親の古里である山形市で生まれた。レスリングに励んでいた3歳年上の兄と一緒に、小学校入学前まで出生地で過ごした。親の転勤で宇都宮市に移り、小学1年生の頃に競技を始めた。中学3年生で日本オリンピック委員会(JOC)のエリートアカデミーに入校し、全国高校総体で3連覇を達成し、国際大会でも経験を積んだ。

 優勝を目標に掲げた今大会は、思ったような攻撃を見せられず、準々決勝で強豪に逆転負けを喫した。だが、気持ちを立て直した。インターネットの中継で3位決定戦を見守ったというひとみさんは「一番体が動いていた優翔らしい試合。頑張った」と語った。

 祖父母たちも山形市内から応援した。鏡選手はこれまで出身地を栃木県としていた時期もあったが、活躍を喜んでくれる生まれ故郷への「恩返しの思い」(ひとみさん)で、山形市と明言するようになった。大会直前には、男子63キロ級に出場した池田龍斗選手(22)=日体ク・山形商高出=の紹介もあって同市内で調整した。母方の祖母の石沢チエ子さん(73)は鏡選手の好物としてラ・フランスや漬物を挙げ「山形が本当に好きな子。(ご褒美に)帰国したら届けてあげたい」と笑った。

 日本勢が課題とする最重量級をけん引し、年末から2024年パリ五輪に向けた選考が本格化する。ひとみさんは「目指しているものは五輪の金メダル。そこに向かって頑張ってほしい」と期待を込めた。

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