高橋さんの歌、古里に永遠に 村山・大高根地区民ら、城跡に碑建立へ

2022/8/21 12:19
歌碑建立予定地の鬼甲城跡を視察する実行委員会メンバー=村山市富並

 本県を代表する歌人で、本紙「やましん歌壇」の選者を長く務めた故高橋宗伸さんの功績をたたえる歌碑建立の計画が、高橋さんが生まれ育ち青年期までを過ごした村山市大高根地区の住民たちによって進められている。場所は地区の史跡として親しまれ、高橋家の所有地でもあった鬼甲(おにかぶと)城跡で、10月の完成を目指している。

 高橋さんは1928(昭和3)年、北村山郡大高根村(現在の村山市富並)に生まれ、高校教諭として教壇に立つ一方、10代から短歌の創作を始め、歌人結城哀草果(あいそうか)に師事し、79年には県アララギ会結成に尽力。97年に斎藤茂吉文化賞受賞。2003年には県歌人クラブ会長に就任し、島木赤彦文学賞を受賞した。14年8月に86歳で亡くなった。

 鬼甲城は同地区内にある楯山に築かれた中世の城塞。村山市史によると東西1500メートル、南北600メートルに及ぶ。山頂部一帯はこれまで高橋家が所有し、城跡を示す石碑が建つほか、戦後には杉が植林された。木々が成長したこともあり、21年秋に地元と遺族が協議。遺族が一帯の土地約3600平方メートルを市に無償譲渡し、地元民で組織する実行委員会が城跡の一角に歌碑を建立することになった。杉は市によって伐採された。

 碑に刻む短歌は歌集7冊に5734首ある歌の中から委員会で話し合いを重ね、歌集「亂山(らんざん)集」に収められ高橋さんが自筆を掛け軸にしていた「雪解早き今年の春のひかりさへ心に沁むと告げてやらまし」に決めた。筆跡をそのまま表現する。

 実行委員会では予算額として140万円を設定し、1口2千円から協賛を募っている。本紙「日曜随想」筆者で、同地区出身の縁から同委員会顧問となり、遺族との交渉役も務めた居駒永幸(ながゆき)明治大名誉教授(山形市在住)は「この歌は春が来る喜びを詠んでいる。城跡に歌碑が建つことで、地元の歴史遺産に文学的要素が加わることになる。非常に意義深い」と語る。

 同委員会の増川俊悦委員長は「高橋さんは若い頃自作短歌を先生に褒められたことで、その道に進み活躍された。地元から道を究めた人が出ていることを歌碑を通して子どもたちにぜひ伝えたい」と話している。問い合わせは同市大高根地域市民センター内実行委員会事務局0237(57)2001。

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