県内豪雨、遠い日常一歩ずつ 小国・新潟側からの物流再開

2022/8/6 13:00
新潟方面から2日ぶりに届いた野菜や果物。その他の食材もほぼ通常の量が届いた=5日午前8時45分、小国町小国町・金十商店

 町内を貫く国道113号の東西両方向での全面通行止めとJR米坂線の運休で、4日夕まで孤立状態となった小国町。新潟県側の国道が通じて一夜明けた5日、物資を積んだトラックが続々と町内に入った。

 町中心部にある「白い森ショッピングセンターアスモ」内のスーパーマーケット「金十商店」(塚原和子店長)には、午前9時半の開店を前に、新潟県側から野菜や果物を載せたトラックが到着した。通常は毎日配送するため、この日は2日分を手早く荷下ろしし、店内に運び入れていた。パンなどその他の食品も、到着時間に遅れはあったものの店に並んだ。

 国道沿いのガソリンスタンド「出光興産小国東給油所」では、おおむね3日に1回、新潟方面からタンクローリーが到着する。地下タンクの容量は十分あるものの、孤立状態になった4日には、在庫を心配した町民や足止めされた客も多く訪れたという。ガソリンが届かないという懸念はひとまず消えたが、斎藤賢治店長は「観光客などの通行量減少の影響を心配している」と話す。

◆飯豊

床上浸水した住宅。住民らが後片付けに追われた=5日午後1時47分、飯豊町椿

 多数の床上・床下浸水が発生した飯豊町では5日も、住宅や店舗の後片付けをする姿が見られた。

 椿地区の民家では約10人が協力し、ぬれて重くなった畳を軽トラックなどで運び出していた。母、夫と暮らす島田三恵子さん(65)によると、3日は玄関前が川のような状態となり、道路の向かい側にある白椿地区公民館には警察官に背負われて避難したという。床上約40センチまで浸水した家の中では、床板がめくれ上がり、祖母の嫁入り道具のタンスは水を吸って開けることすらできなかった。夫の実家で寝泊まりしながら清掃を進めているものの「住み続けるのは無理かもしれない」と諦めの色がにじんだ。

 近くの電器店では店内の電化製品や倉庫の資材が泥水に漬かり、店主の斎藤浩也さん(29)が地下水を使って洗い流す作業を進めていた。浸水や雷の影響で「電化製品が使えない」との声が複数寄せられており、「エアコンが使えず、暑さに苦しんでいる人もいるはず。まずは早く店を開けられるようにしたい」と汗を拭った。

◆百目木(大江)

道路に残る泥を除雪用具や重機などを使って片付ける町民ら=5日午前11時31分、大江町左沢

 2020年7月豪雨と同様に最上川があふれ、十数戸が浸水被害に遭った大江町左沢の百目木(どめき)地区では5日、前日に引き続き住民や親族、知人などが、住宅や車庫に入り込んだ大量の泥の撤去に追われた。それぞれ地区の中央を走る町道にいったんかき出し、重機が何往復もして搬出した。

 朝日町から夫の実家の手伝いに来たパート従業員の女性(44)は住宅1階部分に30センチほどに積もった泥を黙々と取り除き、引き出しに泥が詰まった重い机を運び出した。建物は引き戸のガラスが割れ、壁が破損。2年前の豪雨後にワックスがけした床は無残にたわみ「前回あんなに頑張ったのに…」と肩を落とした。

 近くに住む自営業川村寛克さん(45)は先月中旬から地区内にある蔵の1階を借り、アトリエとして使い始めたばかり。水は天井付近まで達し、この日は友人らと共に泥を除雪用具で押し出した。「いつか水害は発生するだろうと思っていたが、こんなに早く起きてしまうとは」と語った。

飯豊・県指定文化財「天養寺観音堂」、裏山崩れ一部倒壊

「向拝」が倒壊するなど豪雨の被害を受けた天養寺観音堂=飯豊町中

 飯豊町中の県指定文化財「天養寺観音堂」の裏山が崩れ、建物の一部が倒壊する被害が生じていたことが5日、分かった。

 町教育委員会によると、建物後方からの土砂に押し出され、支柱が礎石から外れたとみられる。社殿の屋根が張り出した部分「向拝(こうはい)」が倒壊し、壁がひしゃげるなどの被害を受けた。

 同堂は室町時代の15世紀ごろに建てられた。内部には11世紀後半の平安時代に制作された県指定文化財「木造聖観音立像(しょうかんのんりゅうぞう)」や、古くは江戸時代の絵馬なども収められている。

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