快晴と風雨、奥深き自然 飯豊連峰「夏のドラマ」縦走ルポ(最終日)

2022/8/5 14:15
県境峰を望みながら剣ケ峰を下る縦走隊の一行

 飯豊連峰縦走最終日の4日、山形新聞のパーティーは朝から豪雨の余波に振り回された。

三国小屋-川入登山口

 下山後、迎えに来てもらうのにどの車道が通行可能か、滞在先の三国小屋で4日朝から、下山する福島県側の自治体との電話連絡に追われた。当初は西会津町の弥平四郎に下りるつもりだったが、かなり手前で通行止めになっているらしい。その状況を受け、目的地を変え東側にある喜多方市の川入に下山することにした。

 三国小屋から剣ケ峰の岩峰を過ぎると、ひたすら下りが続く。3時間余りかけ川入(かわいり)登山口に下り立った。しかしその先の車道も前日の土砂崩れで通行止め。結局さらに2時間ほど車道を歩き、ようやく迎えの車と合流できた。

朝食の餅スープを味わう山形大ワンダーフォーゲル部のメンバー=三国小屋

 本県の山では屈指の奥深さを誇る飯豊連峰の縦走中、荷運びに大活躍してくれた山形大ワンダーフォーゲル部の学生4人に感想を聞いた。4年山下純平さん(21)は「夏の飯豊は高山植物が豊富。これだけたくさんの花は見たことがない」、4年原俊英さん(22)は「後半は天気が崩れたが、稜線(りょうせん)上の緑や青々とした景色も良かった」。ともに2年連続の入隊で、山岳ガイドの吉田岳さん(53)=小国町=に積極的に質問していた。

下山中に見つけたタマゴタケ

 一方、新戦力の4年奈良悠作さん(22)は「飯豊登山は4回目だが、どんな天気でも飽きさせない自然がある」、初めての本格的な雪渓登りが石転び沢という2年寺島錦次郎さん(20)は「重い荷物を持って登頂できたことは自信になった」と語った。

 ガイドだけでなく料理番も務め、飯豊連峰の魅力をたっぷり解説してくれた吉田さんは「天気が変われば厳しい条件になる。経験を積んでから挑戦してほしい」としつつ、「稜線に出れば、たどり着くまでの苦労以上の絶景が迎えてくれる」と話した。

 今回の縦走は前半快晴、後半は風雨と天候はくっきり分かれた。逆に言えば、縦走隊は雄大な自然があやなす多様な顔を、結果的に満喫できたことになる。体力面では多くを登山者に求める連峰ではあるが、いったんその魅力に引き込まれた登山者は何度でも通いたくなる。そんなことを改めて感じさせる縦走だった。

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