清野(山形商)「栄光の放物線」 男子やり投げV・2022四国インターハイ

2022/8/5 11:32
〈男子やり投げ決勝〉64メートル93で初の全国制覇を果たした清野康介(山形商)=徳島県鳴門市・鳴門ポカリスエットスタジアム

 四国4県を中心に開催されている全国高校総合体育大会(インターハイ)は4日、徳島県の鳴門ポカリスエットスタジアムなどで行われ、陸上男子やり投げの清野康介(山形商)が64メートル93をマークして頂点に立った。

「雪辱」課題を直視、助走も修正

 男子やり投げの清野康介(山形商)は、静かに初の全国制覇をかみしめた。予選落ちした前回インターハイの雪辱を果たし「(昨年は)悔しくて泣いた。優勝できてうれしい」。競技歴はわずか2年半。同じ舞台で成長した姿を示した。

 中学生までは捕手だった野球少年。県外で暮らす5歳上の兄に誘われ、高校入学と同時にやり投げに転向した。兄の長期休暇の際には指導を受けているが、同校にはやり投げを専門とする指導者がいない。自分でメニューを考え、日々の練習に励んだ。

 昨年の予選落ちを受け、自らの課題を直視し、新たな試みも。柔軟性と力強さを手に入れようと、体操部の早朝トレーニングに目を付け、昨年10月から参加。つり輪や平行棒にも挑んだ。ほぼ毎日だったこの努力が肩の動きをしなやかにした。

 全6投の決勝は、2回目を終えた時点で5位と、ライバルたちに後れを取った。1.5メートル近くの差があったが、助走の歩幅を修正。一歩一歩を大きく取り、上体を起こして振り抜くと、3回目で64メートル93をマーク。首位に躍り出ると、そのまま頂点の座を譲らなかった。

 しかし、投げ終わった後に首をかしげる場面も多く、7月の国体県予選で記録した自己ベスト66メートル19には及ばなかった。本人の優勝コメントには続きがある。「県高校記録(66メートル63)の更新を目指してやってきた。良い記録が出なかったのは悔しい」。栄冠をつかんだ17歳はもっと先を見据えた。

フォーム改善恩師「失敗から学んだ」

 フォームの改善をきっかけに、清野康介は次々と自己ベストを更新してきた。1年間で伸ばした距離は約10メートル。入学当時から見守る今井潤コーチは「失敗からよく学んでくれた」とたたえた。

 「無意識で野球のボールのように投げていたかもしれない」と本人が振り返るように、体への負担は大きく、前回大会は右肘の痛みを抱えていた。体全体を使った投げ方への修正を後押しした今井コーチは、休息の必要性も指導。「止めなければ休みなく練習する」と認める有望株が頂点に立つと、「おめでとうと言いたい」とほっとした表情を見せた。

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