田んぼダム普及拡大へ、県が連絡会設立 豪雨時の流域治水、情報発信や効果検証

2022/7/19 11:42

 県は豪雨災害時に水田の水をためる機能を利用して減災を図る「田んぼダム」の普及拡大を目指し、新たに「県田んぼダム推進情報連絡会」を設立した。県外では新潟県などで先行事例があり、河川の急な水位上昇を抑えるなどの効果が実証されている。まち全体で水害を防ぐ「流域治水」対策の一つとして期待される一方、仕組みや効果への理解が十分ではないことから、民間団体などと連携して積極的な情報発信や効果検証事業を行う。

 田んぼダムは水田から水が流れ出る箇所に流出調整板を取り付けることで降った雨水の排水量を抑制し、水路や河川の水位上昇を抑える仕組み。特に稲作が盛んな地域ではゲリラ豪雨などの際、河川の水位上昇を一定程度、緩やかにする効果が見込まれる。ダムと名付けられているが、排水路などから水を引き入れるわけではなく、排水せずにため続けることもない。

 県全体の水田面積は約6万4千ヘクタール(2020年産)で、これまでの取り組み面積は2019年が1619ヘクタール、20年が1574ヘクタール、21年が2588ヘクタールで、22年は3571ヘクタールを見込む。田んぼダムへの理解が進む一方、ダムや遊水地のような施設を整備すると誤解されるケースもあるという。

 連絡会は県や田んぼダムに取り組むNPO法人などで構成し、置賜地域の市町も加わった。今後、他地域の市町村にも参加を呼び掛ける方針。6月下旬には南陽市内で初会合を開いて活動内容を確認したほか、新潟大農学部の助教による講演を通じて田んぼダムの持続的な取り組みの実現に向けて知識を深めた。

 本年度実施する田んぼダムの効果検証事業では、川西町と飯豊町に実証圃場を設置。田んぼダムの取り組みを行う水田と通常の水田を比較し、洪水流量の調査・解析などを行う。県内外の取り組みを紹介する事例集の作成に着手するほか、現地研修会を開催して取り組みの周知を図る。

 県農村整備課は「個々の取り組みでは広がりにスピード感がない。より多くの農家に取り組んでもらえるように施策を打つ必要がある」としている。

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