山形のZ世代と選挙(下) 「選挙権」の行使

2022/7/7 09:44
スマートフォンで参院選関連のニュースを目にする女子大学生。「必ずしも投票を対面で行う必要はないのでは」とネット投票の導入を望む=山形市

 投票所に足を運び、鉛筆を使い自分の手で候補者や政党の名前を書き、票を投じる―。民主主義の根幹たる「選挙権」を行使する一連の行為に対し、物心ついたころからインターネットを介した友人との交流や情報収集が当たり前のZ世代はどう感じているのか。若者の投票率アップにつながるアイデアと併せて聞いてみた。

 近年、世界的な関心となっているのがネット投票だ。海外ではエストニアやフランスで実践例がある。国内では4月以降、海外に住む有権者が国政選挙に参加できる「在外投票」に関し、負担の大きかった選挙人名簿登録の手続きがオンライン化された。ただネット投票の導入には至っていない。

 6月に18歳の誕生日を迎え、参院選で初めて投票するという、上山明新館高3年の長沢太陽さん(上山市)。「家族と一緒に投票所に行くつもりだが、1人暮らしになると投票所に行くのが面倒になるかもしれない。ネットで気軽に投票できる仕組みがほしい」と訴える。東北芸術工科大3年の斎藤天音(あまね)さん(21)=山形市=は、大学の講義などを含め、多くがオンラインとなっている状況を踏まえ、妥当性を訴える。「必ずしも投票を対面で行う必要はないのでは」

 「スマートフォンで投票できたら投票率は上がるかも」と期待するのは荒砥高3年の迎田あや乃さん(18)=白鷹町。当たり前だが一票を投じるには原則、投票所に行かなくてはならない。だが、現在は手続きの厳格性が求められる銀行決済や行政手続きもスマホでできる時代。故に、わざわざ投票所に行くのはハードルが高いと感じている。「より手軽になれば投票してみようと思ってもらえるのでは」。迎田さんたちの年代の感覚からすると当然のことかもしれない。

 会社員斎藤陽(はる)さん(19)=大石田町=は若者世代の声を反映しやすい選挙制度への変革の一つとして被選挙権年齢の引き下げを訴える。「選挙権年齢が満20歳以上から満18歳以上に引き下げられた。立候補できる年齢も引き下げられて当然と思う。自分たちの年代の声を発信する同じ世代の議員が必要」と強調した。

 若い世代が投票所に行かない理由として、進学で出身地を離れた学生が「住民票を移していないので地元に戻らないと投票できない」を挙げるケースが多い。これは誤った認識だ。県選挙管理委員会によると、有権者が投票できる選挙区は、住民票を登録(選挙人名簿に登録)している市町村が含まれるエリアとなる。住民票を移さずに別の市町村に居住している場合は、住民票を登録している自治体の選管に申請して投票用紙を郵送してもらうことで、居住地の選管で不在者投票することができる。

 例えば山形市に住民票がある状態で、現在は県外に住んでいる人の場合、まず山形市選管に不在者投票請求書を郵送する。届いた投票用紙を居住地の選管に持参し、不在者投票記載場所で記入し、封筒に入れてその場で提出する。投票用紙は郵送で山形市選管に届けられる。受け付けは投票日の午後8時までとなっている。

 投票日まで時間的余裕がない場合は早めの手続きが必要で、問い合わせ先は居住地の選管となる。山形市選管は「選挙権は重要な権利。可能な限り行使できるよう、さまざまな制度がある。貴重な一票を無駄にせず、不在者投票や期日前投票を積極的に利用して投票してほしい」と呼び掛けている。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]