参院選県区・地区別終盤情勢 舟山氏・庄内と置賜で優勢、大内氏・山形、最上など先行

2022/7/6 10:30

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 第26回参院選県選挙区は、改選1議席を巡る攻防が激しさを増している。国民民主党現職の舟山康江(56)、自民党新人の大内理加(59)=公明党推薦=の両候補を軸に、共産党新人の石川渉(48)、政治団体「参政党」新人の黒木明(48)、NHK党新人の小泉明(51)の各候補を含めた現新5人の熱戦が続く。山形新聞社が実施した世論調査と取材を基に、県内5地区に分けて終盤情勢を詳報する。

【東南村山】

 大票田の県都・山形市で大内がリードし、周辺市町で激しく競り合う舟山が追う展開となっている。

 大内は山形市長佐藤孝弘の全面的なバックアップを受け、議員と連動しながら同市内で個人演説会を重ねて支持を広げる。公示前には首相岸田文雄、選挙戦突入後はデジタル相牧島かれんらを弁士とする空中戦を徹底し、唯一の「山形市出身」をアピールしながら、県選挙区における議席奪還の必要性を訴える。地元の山形市北部地域や天童市で優位に立ち、幅広い世代から支持を集める。

 舟山は参院議員芳賀道也をはじめとする、非自民系の議員と連動しながら運動しており、農家に対する支援の充実などを訴える。個人演説会では農業関係者や友人が弁士を務め、山形市内で「女性のつどい」を開催するなどして結束を強めている。連合傘下の自治労など支援労組の動きは鈍い。山形市南部をはじめ、上山、山辺、中山の各市町で互角の戦いを繰り広げている。

 石川は山形市で党委員長志位和夫の来援を受けるなど共産支持層の取り込みを狙うが厳しい戦いを強いられている。黒木、小泉はともに埋没している。

【庄内】

 現職の強みを発揮し、舟山が一部保守層も取り込んだ戦いを展開、全域で優勢となっている。大内は組織力を生かし、懸命に追い上げを図っている。

 舟山は非自民系の県議と市町議、元議員らの支援を受け、鶴岡、酒田の市街地と周辺部で浸透している。農業の生産力や基盤整備の強化などを訴え、庄内平野各地の農村部で優位に立ち、高齢者層や女性の支持も高い。鶴岡では知事吉村美栄子の支持者と連動し、安定した戦いを展開する。酒田では保守票も期待できる元衆院議員阿部寿一の支持層を主体にした後援組織がフル稼働し、票固めを進める。

 大内は県3区選出の衆院議員加藤鮎子や酒田市長丸山至、自公系の県議、市町議がバックアップ。建設業や一次産業の各業界団体からの支援も受け、出遅れの解消を図っている。党選対委員長遠藤利明が酒田での決起集会に駆け付けた。鶴岡では党三役の国会議員も投入して街頭に立つなど支持拡大に努め、保守票だけではなく無党派層の取り込みも目指している。

 石川は共産の県議、市議らと支持拡大を図るが苦しい。黒木、小泉の支持は限定的となっている。

【置賜】

 地盤の西置賜で安定的な戦いを進める舟山がわずかに抜け出し、大内が猛追している。

 舟山は非自民系の県議、市町議を中心に支持固めを進める。地元の小国町をはじめ、長井市、白鷹、飯豊両町の西置賜全域でリードし、自民支持層にも食い込む。川西町でも後援会による草の根運動が機能し、引き離している。序盤は自民の候補者が決まらなかったことや、国会での国民の予算案賛成などが影響。従来の支援組織の足並みがそろわずに出足が鈍かったが、個人演説会の開催などを重ねて引き締まってきた。

 大内は「JA山形おきたま」が単協推薦したことを追い風に生産者層に食い込んでいるほか、建設業界を軸に、知名度に勝る舟山を激しく切り崩している。大票田の米沢市は、これまで舟山に流れていた保守層を取り戻しつつあり、激しく競り合う。衆院議員鈴木憲和の地元南陽市では、市長選と連動した運動で支持を拡大し、高畠町とともに互角の戦いを進める。保守系県議や市町議らを軸に無党派層の取り込みが進む。

 石川は共産支持層を軸に集票を図るが、伸び悩んでいる。黒木と小泉の浸透は限定的だ。

【西・北村山】

 西村山は、知名度に勝る舟山と組織力を背景に空中戦を展開する大内が僅差の戦いを繰り広げる。

 舟山は非自民県議と市町議が支持を訴え、寒河江市と河北町でわずかに優勢、大江町ではリードする。同町出身の知事吉村美栄子の支援も追い風に終盤の盛り上げにつなげたい考え。

 大内は自民県議と市町議が支持拡大に動き、朝日町で優位に立ち、西川町で浸透。元党幹事長石破茂の来援など空中戦で一定の手応えを得ており、無党派層への浸透が今後の鍵となる。

 北村山は、厚い組織力に支えられて東根市でリードする大内に対し、舟山が農家票などを軸に村山市、尾花沢市で浸透を図る。

 大内は自公の地盤に支えられる東根市で市長土田正剛と連動し、党総務会長福田達夫の来援を得るなど着実に票固めを進める。大石田町でも町議の動きが活発で攻勢を掛けている。

 舟山は村山市で知名度の高さを生かして優勢に展開するが、相手陣営の切り崩しを警戒する。尾花沢市では市長選を控える市長菅根光雄と連携し、引き締めを図っている。

 石川は全体的な広がりに悩み、黒木と小泉は苦戦している。

【新庄・最上】

 厚い保守地盤に支えられた大内が徐々に浸透し、ややリード。知名度で上回る舟山だが、保守票の取り込みが進まず勢いを欠く。

 大内は党と建設業を中心にした経済界の支持を軸に組織戦を展開。衆院議員加藤鮎子と連携し「与党直結候補」を強調する。東北中央自動車道整備の進展に加え、新庄市を中継点とする酒田市―宮城県石巻市を結ぶ横軸の高速網整備の必要性を主張。公明の比例候補と連動し組織のてこ入れを図る。新庄市長山尾順紀や最上、鮭川、戸沢の各首長が応援。地元選出県議は自民3人に加え、無所属山科朝則が支援している。

 舟山は当初から、本人の存在感頼みの楽観ムードを警戒。公示後は「農政通」をアピールし、農業票を足掛かりに支持獲得を目指しているが限定的だ。連合系労組の支援を受けるが、国民の与党接近による野党共闘が崩れた影響をカバーするまでに至っていない。舟形町長森富広が地域内の首長で唯一、支援を表明。元参院議員・故岸宏一との党派を超えた親交をたどり自民票獲得を狙うが力強さが見られない。

 石川は共産支持層以外への広がりに乏しく、黒木、小泉は独自の戦い。

2022参院選

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