東京五輪・パラリンピックの選手村で使われた山形市産材を用いたあずまや2基が同市の西公園に整備され、利用が始まった。市内外から多くの人が訪れる西公園で見て、触れてもらうことで、市は将来にわたって五輪のレガシーを身近に感じてほしい考えだ。
用いられたのは、選手村ビレッジプラザの建材となった市産のスギ材。五輪の際は同市門伝の板橋山で伐採された120本分が提供され、一大イベントを支えた後、今年2月に返却された。市は「レガシー材」を活用し、西山形コミュニティセンターにモニュメントを設けたほか、西山形小、山形駅東西自由通路での再利用も進めている。
西公園のあずまやは、パークセンター近くのバスケットコート前(幅と奥行き3メートル、高さ2.4メートル)と敷地北側の第2駐車場前(幅6メートル、奥行き3メートル、高さ2.4メートル)に1基ずつ設置した。バスケットコート前の1基はビレッジプラザで採用された工法で、3本の柱で屋根を支える「絆工法」を再現。2日に利用が始まり、最高気温が連日30度超となる中、親子連れらがあずまやで強い日差しをしのぐ姿が見られている。
市公園緑地課によると、柱には五輪で使用された証しとなるエンブレムが焼き印で押されており、いくつあるか数えてみる遊びも試してほしいという。同課の担当者は「五輪で市産材が活躍したことを体感してほしい。市民の目に触れることで、将来にわたるレガシーになるといい」と期待している。
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