開業時の輝き、色あせず 山形新幹線つばさ、きょう30年

2022/7/1 09:41
早朝のJR山形駅を発車する「つばさ」の東京行き一番列車=1992年7月1日、山形市

 山形新幹線つばさは7月1日、開業から30年を迎える。流線型でシルバーの車両は、多くの期待を乗せて滑るように動き出した。本県と首都圏を結ぶ大動脈として生活に溶け込んでいる。開業を心待ちにし、30年間つばさを見てきた人たちにとって、あの日見た輝きは今も色あせない。

 東京までの一番列車に乗ったのは、鉄道愛好者でつくる「鉄道友の会山形支部」の武田守事務局長(55)=山形市。「予約開始日に並んで買った指定席。苦労した分、喜びも大きかった」と懐かしむ。長男も鉄道好きで、つばさに一緒に乗ったり、写真を撮ったりし、かけがえのない親子の時間が重なる。武田さんは「つばさは、30年ずっと追い掛けている列車。思い出も多く、本当に特別な存在になっている」と話す。

 「開業後は人の流れが大きく変わった」と振り返るのは、山形駅前大通り商店街振興組合元理事長の阿部真栄さん(71)。さまざまな人が来県しやすくなり、駅前で商売をしようとする人が増えたという。「ビジネスや観光で本県を訪れる人も多くなり、付随して飲食店やホテルも増えた」。駅前はにぎやかになった。今はコロナ禍もあってかつてのような人出はない。「今後も駅前が発展していってほしい」と、新幹線効果に期待する。

 沿線に位置する南陽市の赤湯温泉、丹泉ホテルおかみの丸森千鶴子さん(68)は、開業時の高揚感を覚えている。「『赤湯』と『赤湯温泉』の名を全国区にしてくれた」。開通後は期待通り、東京方面からの観光客が増えた。赤湯温泉を首都圏にPRする出張の負担も軽くなった。当時は新幹線が止まるのか、通過してしまうのかも各自治体で大きな話題だったといい、「先人の努力で赤湯に停車してくれた。本当に大きなこと」と感謝する。

 一方で注文もある。「新幹線が雨や雪の影響を受けるようではだめ」。県民の声を代弁した。

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