参院選県区、集票のシナリオ(下) 比例代表

2022/7/1 08:52
県選挙区と連動し、比例代表の戦いは激しさを増している(コラージュ)

 参院選は県選挙区に5候補が出馬し、改選1議席を巡る攻防が続く。与野党対決の熱戦に連動する形で、“もう一つの戦い”である比例代表も激しさを増している。各党は県区候補と連動しながら運動量を高め、支持取り込みの駆け引きを繰り広げている。

 6月28日午後6時。前日の雨天から一転し、新庄市内に西日が差し込んだ。買い物客が増えてきた商業施設に向けて、公明党の比例代表重点候補・横山信一の街頭演説が始まった。市長山尾順紀、県議会議長坂本貴美雄ら新庄・最上の自民党県議3人、衆院議員加藤鮎子、県区の自民新人大内理加が顔をそろえた。

 「自公政権が安定しているからこそ、日本は正しい方向に進んでいる」。応援のマイクを握った面々は、足並みが乱れる野党勢にくさびを打ち込むように強固な関係性をアピールし「比例は横山、県区は大内」と強調した。横山は来援に感謝をにじませ「山形から自公の議席を。勝たせてください」と頭を下げた。

 自公は協力関係を築き、県内各選挙を戦ってきた。自民が不戦敗論に傾いたころ、公明は歯がゆさを抱えたが、自民が大内を擁立すると即座に推薦。県区で3選を狙う国民民主党現職舟山康江への追撃態勢を後押しした。28日は大内の家族や自民系首長らを迎えながら国道13号沿線を遊説。「自公政権の政策に、国民の信を問う」とする公明県本部代表菊池文昭は、目標とする前回参院選を1万7千票上回る県内比例7万票に自信をのぞかせる。

 県区に独自候補を持たない立憲民主党は県区で舟山と協力関係を結び、比例代表に党県連事務局長木村正弘を擁立した。昨年10月の衆院選で議席を減らし、政党支持率は伸び悩む。政権との対決姿勢で野党勢の足並みはそろわない。今回は党勢拡大と、野党第1党の座を懸けた日本維新の会との戦いの様相も呈している。

 「長年、公務員を減らし、行政サービスを減らしてきた。成果と言っているのが、野党第1党になろうとしている政党だ」。公示から3日目の山形市役所前。来県した立民選対委員長大西健介は、批判の矛先を岸田政権ではなく維新に向け、比例票を競り合うライバルに、対抗心をむき出しにした。

 党本部の方針で票を掘り起こす「地域型」候補として、公示直前に木村を立て、比例票にやや重点を置いた選挙戦を展開している。県連幹部らが連日、選挙カーに乗り込み、党の政策を訴える。25日には河北町出身の衆院議員吉田晴美が来援し、票の上積みを図った。党県連代表石黒覚は「とにかく立民をアピールしなければいけない。一つでも多くの議席を確保することが最重要課題だ」と力を込める。

 共産党は比例で650万票、5議席獲得を絶対条件に掲げる。県内では6万票以上の集票を目指し、県区に立候補した新人石川渉を軸とした戦いを展開。石川は各地で街頭演説を重ねて政策実現を訴え、比例での支持拡大に汗を流す。

 党員数減による運動量低下を課題に抱える。党委員長志位和夫が28日、6年ぶりに来県し、JR山形駅前での街頭演説で「共産党を伸ばすことが暮らしをよくする一番の力になる」と結束を呼び掛けた。党県委員長本間和也は、聴衆の反応は想像以上だったと手応えをにじませ「選挙戦に勢いが出る」と続けた。(文中敬称略)

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