県内企業、BCP策定は2割弱 ノウハウと人材不足、足かせに

2022/6/30 09:44

 災害など緊急事態に備え事業継続計画(BCP)を策定した県内企業は2割弱にとどまることが、帝国データバンク山形支店の調査で分かった。策定中か策定を検討中の企業を含めても半数弱にとどまり、ノウハウと人材の不足が策定の足かせになっている。災害の頻発や新型コロナウイルス禍で必要性は認識しつつも、手が回らない現状がうかがえる。

 過去5年間のBCP策定状況について、回答した企業のうち、BCPを「策定している」としたのは17.5%で前年調査に比べ2.2ポイント減少した。一方で、「策定中」8.0%、「策定を検討している」22.6%を合わせると48.1%となり、2.8ポイント増加した。

 策定していない企業に理由を聞くと、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が44.8%で3年連続トップ。「時間を確保できない」が31.0%、「人材を確保できない」が29.3%の順だった。「自社のみ策定しても効果が期待できない」「リスクの具体的な想定が難しい」(共に24.1%)との回答もあった。

 策定企業の規模別でみると、「大企業」が13.1ポイント増の35.3%だったのに対し「中小企業」は4.3ポイント減の15.0%に低下した。

 策定済みか策定意向を持つ企業に想定リスクを尋ねると、地震や風水害などの「自然災害」が71.2%で最多だった。コロナ禍など「感染症」は15.1ポイント減の59.1%、「設備の故障」は13.4ポイント減の31.8%と大きく低下した。一方で、「取引先の倒産」は12.4ポイント増の31.8%だった。

 策定効果は「従業員のリスクへの意識向上」が66.7%で1位。「業務の定型化・マニュアル化の進展」が37.5%、「事業の優先順位が明確になった」と「取引先からの信頼が高まった」が29.2%だった。

 現在はコロナ禍に加えサプライチェーン(供給網)の混乱、ロシアのウクライナ侵攻、原材料価格高騰など、従来のBCPでは対応しきれない事態が多発し、見直しを迫られている企業も多い。同支店は「経営を取り巻くリスクは増大し、BCPの重要性は増している」と指摘。その上で「代替要員育成のため業務の見える化、マニュアル化を進め、業務の属人化を解消することも大切だ」とした。

 調査は5月18~31日、270社を対象に実施し137社から回答を得た。回答率は50.7%。

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