蔵王温泉住民ら、風力発電計画に「反対」 関電説明会、観光協は撤回求め決議採択

2022/6/28 11:59
関西電力が宮城県川崎町で検討している風力発電施設に関する住民向け説明会=山形市蔵王体育館

 関西電力が蔵王山周辺の宮城県川崎町で調査を進めている風力発電施設建設に関し、山形市蔵王温泉の住民向け説明会が27日、市蔵王体育館で開かれた。関電担当者が同町山間部で検討している風力発電事業の概要などを説明したが、住民からは景観を損なう恐れなどから建設に反対する意見が相次いだ。説明会後には地元の蔵王温泉観光協会が臨時総会を開き、建設に反対する決議を採択し、市に提出した。

 説明会で、関電担当者は高い風況が見込め、既存の送電線が近いなど事業対象区域の選定理由を説明し、御釜展望台からの眺望を想定した暫定的なフォトモンタージュ(想定合成写真)を示した。住民は「自然の中に人工物が見えるのは興ざめ。小さく見えると思うかもしれないが大きな影響がある」「自然景観は蔵王観光の一番の財産。事業を撤収してほしい」などと反対する意思を示した。

 終了後、関電担当者は報道各社の取材に「率直な意見を頂いた。真摯(しんし)に受け止めて対話を続けていきたい。風力発電事業をできるか、できないかを含めて検討していく」と述べた。

 蔵王温泉観光協会(伊藤八右衛門会長)は直後に同所で臨時総会を開き、風力発電事業に反対する決議を全会一致で採択した。決議文には「関西ではなく東北で事業を進めるのには違和感がある」「蔵王山の自然景観を壊すことになり、蔵王のみならず山形県全体の観光客の減少につながる」などと記載した。伊藤会長は「観光が落ち込むのは避けたいし、自然も守りたい。事業は中止、白紙撤回してほしい」と話した。

 関電が川崎町で検討している風力発電事業は、最大発電出力が9万6600キロワット。発電機設置数は、事業実施想定区域の一部が国定公園に入るとして、最大23基から19基に減らした。

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