食文化の発展に貢献する地方のレストラン10店を英字紙ジャパンタイムズ(東京)が選ぶ「デスティネーションレストランツ2022」に、西川町の「山菜料理出羽屋」(佐藤治樹社長)が東北地方から唯一選出された。
選定は昨年から同紙が行っており、2回目。国内外で活躍する食文化の有識者3人が東京23区と政令指定都市以外の地方のレストランや料亭を巡り、地域の食文化を支える優れた飲食店を選んだ。
出羽屋は1928(昭和3)年創業。かつて出羽三山参詣者が行き交った同町間沢で、地元産の山菜やキノコなどを昔ながらの調理法で提供してきた。4代目の佐藤社長は新型コロナウイルス禍の2020年から、客席の前で調理する取り組みを始めた。提供時には若女将で妻の悠美さん(33)とともに、食材にまつわる逸話や歴史を紹介して、雪国の食文化の発信に力を入れてきた。来店者からも好評で、週末は12月まで予約が埋まっているという。
表彰式は21日に都内で行われた。「山と共に生きる」をモットーとする佐藤社長は「自分たちだけでなく、生産者や来店者とともに取り組んだことを評価してもらった」と選出を喜び、悠美さんは「温故知新の精神で、食文化を未来へとつないでいきたい」と語った。
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