バングラデシュ刺しゅう、癒やされる… 現地の女性手作り、山形で展示販売会

2022/5/26 11:39
バングラデシュの女性が伝統的な刺しゅうを施した作品が展示・販売されている=山形市・エムアイプラザ三越山形店

 バングラデシュの農村で暮らす女性が手掛ける伝統のノクシカタ刺しゅうの作品展が25日、山形市の山交ビル内にあるエムアイプラザ三越山形店で始まった。メッセージ性の高い図柄と穏やかな色彩が特徴の作品を紹介している。

 東京在住で、40年ほど前から現地で職業訓練などを行う馬上美恵子さん(66)は、千年以上続く手仕事から作品としても質を高められるようにとアドバイスを続けてきた。「刺しゅうは母親から娘へと受け継がれてきた。草木染の色の柔らかさ、絵柄の細やかさに癒やされる人は多い」と話し、来場を呼び掛けている。

 ノクシカタ刺しゅうの図柄は平和を象徴する「アルポナ」、動物を指す「ジープ・ジョン・トゥー」をはじめ、希望を意味する星、家族を表すゾウなど多彩にある。刺しゅう以外の部分は刺し子で表情を付ける。古くはサリーなど民俗衣装を掛け布にリメイクする際に用いられてきた。

 馬上さんは1983(昭和58)年から3年間、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊員としてバングラデシュのインド国境近くの農村地域に派遣された。栄養指導を行う中で、ノクシカタ刺しゅうに出合った。一方で、現金収入がなければ栄養のある食物を確保できない現状を目の当たりにし、貧困や女性の地位の低さなどさまざまな課題に気付いたという。

 帰国後も現地との交流を続け、刺しゅうの技術を向上させる職業訓練や栄養指導を行い、日本では刺しゅう作品の販路開拓に努めた。作品の質を高めようと、手織りの綿布や糸を提供してくれる工房と連携。馬上さんが助言し、現地の女性は伝統的な手法で草木染めした糸で刺しゅうし、布に型染めやろうけつ染めで柄を施し、ブラウスなどに仕立てている。現在は現地リーダー9人の下で、10~80代の約500人が関わる。

 今回の展示は馬上さんが理事を務めるフェアトレード・ロシュン(東京、馬上慎司代表理事)が企画。タペストリーやバッグ、ブラウスなど約200点を展示販売している。馬上さんは「40年近く女性支援を続けているが、まだまだ。でも、現地の女性は売れた分が届くから良いものを作ろうと、もがきながら頑張っており、その思いを共有してほしい」と話していた。31日まで。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]