耕作放棄地を安心の田んぼに 鶴岡・山形大などプロジェクト

2022/5/25 09:30
自動抑草ロボットなどを活用し、耕作放棄地の再生を図るプロジェクトが進んでいる=鶴岡市中山

 鶴岡市の山形大農学部が中心となり、同市中山で約50年間、耕作していなかった山あいの田んぼを復活させるプロジェクトが進んでいる。コメを無農薬栽培し、ロボットによる除草の省力化、タニシを軸にした生物保護に取り組む。耕作放棄地を生態系が豊かな環境によみがえらせ、コメに付加価値を付けて地域経済活性化を目指そうと関係者が意気込んでいる。

 対象の田んぼは林の中にあり、広さ約20アール。農業用の水路が大雨のため土砂でふさがれ、長く使われていなかった。同地区でタニシを通して水田生態系を研究している同学部の佐藤智准教授(49)=応用動物学=が、耕作放棄地再生プロジェクトとして活用を発案。この田んぼを親類から譲り受けていた所有者の佐藤好明さん(60)から、承諾を得た。田は草木に覆われていたが、佐藤さん、学生らと昨年秋から整備に取り組んで復活させ、20日に「はえぬき」の苗を植えた。

 プロジェクトでは、鶴岡市のまちづくり会社ヤマガタデザインのグループ会社・有機米デザイン(東京)と連携し、同社が実用化を目指している自動抑草ロボット「アイガモロボ」を活用。スクリューで泥を巻き上げながら航行し、光を遮ることなどによって雑草が生えにくい状態をつくり、労力の大幅な軽減を図る。さらに、タニシを入れて豊かな生態系の保全を図る。タニシは藻類を増やすとされ、他の生物も増やす効果が期待できるという。同市の慶応大先端生命科学研究所、薬物依存症のリハビリ施設・鶴岡ダルクも栽培管理などで参加する。

 市内の給食センターや市立荘内病院から出る食物残渣(ざんさ)をアメリカミズアブの幼虫に与えて育て、ふんを肥料に使う取り組みも行う。21日は関係者約20人が現地に集まり、アイガモロボやタニシを田に入れた。佐藤准教授は「タニシがいる水田のコメはおいしいとの研究結果もある。持続可能な環境で育てられた安全安心なコメとして、付加価値を価格に反映させ、地域経済に貢献したい」と話している。

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