空き家の悩み、細やか対応 県宅建取引業協、独自に「相談専門士」創設

2022/5/22 14:38
県宅地建物取引業協会が独自の「空き家相談専門士」育成のため作成した専用の講習テキスト

 県内の空き家問題解決を進めようと、県内不動産業者で組織する県宅地建物取引業協会(会長・高橋一夫ファースト興産社長)が独自の民間資格「空き家相談専門士」を設けた。専用テキストを作り、座学の講義を受けた上で効果測定テストで合格した宅地建物取引士に資格を与える。空き家に特化した専門知識とノウハウを持ち、相談者の悩みにワンストップ対応する。

 県住宅・土地統計調査によると、県内の空き家は2018年10月時点で5万4200戸に上り、5年間で8100戸増加。空き家の適切な活用、処理は喫緊の課題で、会員社にも日常的に相談が持ち込まれる。

 同協会は平日に県宅建会館で無料相談を受け付けるほか、県内一斉空き家相談会を毎年2回ずつ県内11地区で開催。空き家所有者に情報提供、助言し課題解決に尽力してきた。今年も8月6日と11月26日に開く。

 ただ空き家の相談は活用方法だけでなく、改修や相続、税金など複合的な問題が絡むケースが多い。不動産に詳しくない相談者の悩みを聞き出し、分かりやすく説明するスキルも求められる。宅建士の知識だけでは十分に助言できない場合があり、幅広い知識、ノウハウを持つ専門相談員の育成が急務となっていた。

 専用の講習テキストは長谷山裕副会長と不動産取引に詳しい明海大不動産学部の中村喜久夫教授が執筆し、▽空き家相談の必要性▽対応技能▽税務知識▽応用知識―などの6章構成だ。問題と現状に触れ、不動産取引の基本のほか、登記、所有者不明土地の対応方法などを紹介。対応時の心構え、身だしなみ、言葉遣い、話し方も助言した。

 中心街以外の市場性に乏しい空き家にも対応し、活用だけでなく解体、寄付にも触れた。活用、解体に伴うおおよその費用、協会以外の相談先も明記。講義動画も作り、テキストを基に動画を視聴して学習する。

 3月から講義を始め、既に会員社の宅建士約1300人のうち約170人が資格を得た。行政から相談会への派遣要請があった場合は専門士を派遣する。「空き家相談専門士」は商標登録した。高橋会長は「一年で終わる取り組みではなく空き家問題を抱える相談者にきめ細かく対応する。相談者をたらい回しにせず、ワンストップで対応する」と話した。

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