野川氏、私的流用認める 政活費詐取、山形地裁初公判で1年6月求刑

2022/5/18 21:48
政務活動費搾取事件の初公判で山形地方裁判所に入る野川政文元県議=18日午後1時29分、山形市

 架空の人件費を計上し、政務活動費(政活費)計576万円をだまし取ったとして詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われた、前県議野川政文被告(68)=無職、東根市中央4丁目=の初公判が18日、山形地裁であり、野川被告は起訴内容を認めた。検察側は懲役1年6月を求刑し、即日結審した。判決は6月27日に言い渡される。

 問題発覚後の昨年11月に開いた記者会見では詐取した金を政治資金として使ったと釈明していたが、一転、ゴルフや飲食などへの私的流用を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、2008年4月から政活費の領収証提出が義務付けられ、支出先が限定されたため、「これまで通り自由に使える金を確保しようと考え、知人に架空の領収証を作成してもらい、人件費として支出したことにした」と指摘した。

 また論告で、16年に他の県議の不正受給問題を受け、議長として再発防止策を検討していた点に触れ、「自身の行動を見直す機会がありながら、犯行を継続しており、強い非難に値する」と述べた。

 一方、弁護側は▽起訴内容の被害額576万円の弁償が昨年11月30日付で完了している▽起訴内容以前の不正受給(672万円)についても自主返納(寄付)を誓約しており、既に204万円を返還済み▽真摯(しんし)に反省している-などとし、執行猶予付き判決を求めた。

 被告人質問で、政活費の私的な使途について尋ねられた野川被告は「ゴルフ代や飲食代」と回答。月5万円、ボーナス時20万円の小遣いをもらっていたが「政治活動が頻繁になると、足りなくなる時があった」「金がないからゴルフに行けないとは言えなかった」と語った。

 また、別の県議の不正受給が発覚した際の自身の不正の認識については「正しくないとは分かっていたが、どのような犯罪に当たるかまでは考えていなかった」と話した。

 起訴状によると、野川被告は15~20年度の政活費について、架空の人件費を支出したとする虚偽の収支報告書などを16年4月ごろ~21年4月ごろに県議会事務局に提出し、政活費計576万円をだまし取ったとしている。

「反省、謝罪、後悔繰り返し 静かに生きていく」 野川被告

 約半年前の記者会見時に比べてほっそりとし、紺色系のスーツはサイズが合っていないようだった。18日に山形地裁での初公判に臨んだ野川政文被告(68)。ややうつむきがちに起訴状の朗読を聞き、罪状認否では「間違いございません」とはっきりとした口調で起訴内容を認めた。

 約1時間の公判で、時折傍聴席に目をやるなどしたが、被告人質問以外はほとんど伏し目がちだった。弁護側から今後について問われると「残された人生の中で反省と謝罪と後悔を繰り返し、静かに生きていきたい」と言葉を紡ぎ、最終陳述では「県民をはじめ、多くの人に深く、深くおわび申し上げる」と頭を下げた。

 「真摯に罪を認めている印象だった」と傍聴した山形市の60代男性。「功績が大きい人だっただけに非常にショックだった」と問題発覚時を振り返った。野川被告を刑事告発した市民オンブズマン県会議の前共同代表の長岡昇会員も傍聴し「記者会見時に否定した、私的流用を認めたことは前進したといえる」と語った。

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