着ける?外す? 子どものマスク 判断現場任せ、悩める保育施設

2022/5/17 11:24
本格的な夏の到来を前に、子どものマスク着用に関し、さまざまな意見が出始めている=5月4日、山形市

 新型コロナウイルスの感染予防対策の一つである子どものマスク着用に関し、さまざまな意見が聞かれている。感染拡大を防ぐ必要性の一方で、表情を読み取りにくく発達への影響を懸念する声があるからだ。これから本格的な夏が到来し、熱中症を招く恐れもある。県内の保育関係者から「社会機能を維持するため外すことは悩ましい」「国が統一した方針を改めて示してほしい」などの声が上がる。

 東京都医師会は今月10日、マスク着用の見直しを提言した。特に子どもの着用は、感染状況を見ながら段階的な緩和の必要性に言及した。一定の距離を確保できる際は、屋外でマスクを外すことも提案している。

 厚生労働省は今年2月、感染拡大を受け、保育園児のマスク着用に関する留意点を公表。感染防止の一時的な対応として着用を推奨した上で、体調の変化に十分注意し、昼寝の際は外すよう求めた。対象は2歳以上で、2歳未満は窒息や熱中症のリスクを踏まえて着用を推奨しないとした。

 県内の保育現場はどう捉えているか。山形市内の保育施設の担当者は施設内で感染が確認された際、休園などになる恐れに言及し「マスクなしで思う存分外で遊ばせたい思いはあるが、社会機能の維持を考えると悩ましい」と口にする。置賜地域の保育施設では熱中症の恐れがある日は、勤務する看護師の判断を基にマスクを外す対応を取る予定で「着用の是非などを現場の判断に任されることが多い。国が統一した方針を改めて示してほしい」と求めた。鶴岡市内の保育園では現在、3歳以上の園児にマスク着用の協力を求める一方、2歳未満は保護者に判断を委ねている。

 県は「国の方針として、現段階で子どもには大人と同様の対応は求めていない」とし、「県が独自で方針を打ち出すことはない。国から新たな指針が示されれば、速やかに市町村に通知する」との考えだ。

 中目千之(なかのめちゆき)県医師会長は感染拡大防止を念頭に「可能な限り着けてもらいたいが、国の方針に沿った対応が望ましい。屋外で密な状態を避けられる場合などは外してもいいのではないか」との見解を示す。コロナ下で長らく続くマスク着用が与える影響には懸念を抱き、「相手の顔の表情などを読み取れない、その場の雰囲気を感じ取れない大人になるのではと危惧している。そういう面で教育上、好ましくない部分はある」と悩ましい実情を指摘した。

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