米どころ、秘技を伝授 県庄内支庁など、若手指導員指南書作成

2022/5/17 10:23
米どころ庄内の伝承の技術を収録した指南書。門外不出の技もあり抜粋版しか公開されていない=県庄内総合支庁

 米どころ庄内の秘技を伝承したい―。県庄内総合支庁などは、指導員向けの水稲生産の指南書「SHONAI(しょうない) 稲作技術 handbook(ハンドブック)」を作成した。ブランド米の産地間競争が激化し「戦国時代」の様相を呈(てい)す中、庄内地域で伝承されてきた稲作のこつや基礎知識、作業手順など「門外不出」の技も収録。若手指導員らの知識を深め、産地の基盤を将来につないでいくための後押しをする。

 ハンドブックは同支庁や庄内地域5市町、各JA、JA全農山形などでつくる「山形おいしさ極める!米づくりプロジェクト庄内地域本部」が作成した。全66ページでA4版サイズ。育苗管理▽田植え期の水田の管理、出穂前後の水の調節▽除草剤の使い方や病害・害虫防除▽出穂前のイネに適切な肥料を供給する「穂肥」から収穫まで▽直まき栽培などの低コスト技術―といった8項目で構成している。

 対象としているのは、稲作の栽培指導を担当する県の普及指導員やJAの営農指導員。近年は世代交代もあり、若手の指導員が現場では増えている。生産調整(減反)にブランド米の開発、産地間競争など、激動の時代を経験してきた50~60代の各指導員が、次世代に伝えたいことや庄内地域で実践されてきた「秘技」も含め一冊に収めた。

 「米作りは競争。各産地の門外不出の技もあり、記載内容を全て明らかにすることはできない」と同支庁は話し、公表したのは秘技の箇所などを除いた抜粋版のみとこだわっている。

 さらに、生産者が口にし、現場で飛び交う専門用語も解説。イラストや画像を多用し、理解しやすい中身になるよう工夫が施された。生産指導ではイネの植物としての生理生態や土壌に関する科学的な論理や仕組みを理解することも重要で、こうしたポイントも記載。現場での失敗例も紹介している。

 140部作成。庄内地域の市町、JAに配布しており、本年度から指導員のスキルアップ、現場での指導に活用している。あとがきには「(指導員は)急いで一人前になることが求められる。庄内で稲作を続ける意義を見付け、持続できる方策を考え続けてほしい―」と、ベテラン指導員の思いもつづった。

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