陸羽西線、きょう14日から2年間運休 地域の足、不安尽きず

2022/5/14 08:29
トンネル工事に伴い、約2年間の長期運休に入るJR陸羽西線=13日午後6時5分、酒田市・JR酒田駅

 新庄―余目―酒田を結ぶJR陸羽西線は13日の運行終了後、全線で約2年間の運休に入った。最上川沿いで併走する国道47号のトンネル工事に伴う対応で、JR東日本は14日から代行バスを運行。同社管内で同様の長期運休の例はなく、バスでの代行輸送の所要時間は列車に比べ2倍程度になる。沿線住民や観光関係者からは、定時性の低下や客足減少に加え、2年後に現行通り復活するのかなど、懸念の声が聞かれた。

代行バス、所要時間は倍 2年後復活するか心配

 「明日からは代行バスで運行します―」。酒田駅では13日夕方、淡々としたアナウンスが流れた。狩川駅(庄内町)から酒田駅まで通学で使っていた酒田西高3年大滝ひよりさん(17)は「バスは帰宅時間と合わず不便になるかも。田んぼの中を走る、地元には欠かせない列車」と語った。古口駅(戸沢村)から新庄駅まで利用していた新庄北高3年荒井瞭太さん(18)は「学校に着くのが列車より30分ほど遅くなり、学校で集中して朝勉強する時間が減ってしまう。(道路は)冬場、時間が読みづらくなり、遅刻しないといいが」と不安を口にした。

 観光への影響を懸念する関係者もいる。「昨年、狩川駅が新しくなったばかりで驚いている。4年ぶりに開催する月山龍神マラソン(10月)の参加者への影響も心配」と庄内町観光協会の担当者は胸の内を明かす。最上川沿いの区間は紅葉のスポットで、秋は舟下りがにぎわう。戸沢村の高屋駅付近で「最上川舟下り義経ロマン観光」を営む芳賀由也社長は「新型コロナ前の7割ほどまで客足は回復してきた。列車を利用する人も一定程度おり、影響は小さくない」と漏らした。

 夕暮れの酒田駅のホームには、いつもの利用者だけでなく、長期運休を知り駆け付けた鉄道ファンの姿もあった。会社員鈴木雄登さん(23)=中山町=は新庄駅から乗ってきた。「れんが造りの橋脚やトンネルが魅力。2年後、また走ってほしい」と車体を撮影し、折り返しの新庄行きに乗り込んだ。

 長期間の運休には不安の声が尽きない。狩川駅で列車を待っていた戸沢村の女性(60)は運転免許証を持っていない。週に数回、通院や買い物で利用してきた。「列車は必要不可欠だった。車酔いするのでバスは苦手で、2年後、廃線になるなんてことがないといいけど…」と話した。

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