サッカーJ2は第11節第3日の23日、各地で7試合が行われた。モンテディオ山形は天童市のNDソフトスタジアム山形で大宮と対戦し、2―0で勝利した。2戦ぶりの白星で、通算成績は3勝4分け4敗。順位は暫定15位に浮上した。
山形はMF国分伸太郎、MF加藤大樹がそれぞれ3試合ぶりに先発復帰。前半17分、国分の右クロスにFW藤本佳希が右足で合わせ、先制ゴールを決めた。同35分、MF藤田息吹がPKで追加点を挙げ、2―0で折り返した。後半は攻め込まれる場面が多かったが、無失点に抑えた。
このほか、首位の横浜FCは栃木と0―0で引き分け、勝ち点27とした。仙台は2―0で琉球に快勝し、同20で暫定2位に浮上。新潟は長崎に逆転勝ちし、千葉と引き分けた東京Vと同19で並んだ。
山形は次節の27日、徳島県鳴門市の鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムで徳島と戦う。
【評】山形は前半2得点で逃げ切った。相手のプレスを巧みにかわした前半、両サイドから攻め込み、FW藤本の先制点で勢いづいた。後半は風下の影響を受けて守勢に回った。ロングボールで競り合う形が多くなったが、自陣ゴール前の窮地は体を張ってしのいだ。
敵を揺さぶり藤本先制弾
【青炎】山形は理想の形で試合を動かした。前半17分、自陣FKのリスタートから一度もボールを奪われることなく、敵を揺さぶり、エースFW藤本佳希が今季6得点目のゴール。ピーター・クラモフスキー監督は「やりたいことが出せたスーパーゴール」と手放しでたたえ、藤本は「ボールの動かし方は、僕たちがやろうとしているものだった」と喜んだ。
立ち上がりから優位に試合を進め、先制点につなげた。一連の流れでボールに触れた選手は、GK後藤雅明を含めて計10人。後藤の左サイドへの浮き球が通り、DF川井歩から近くに寄ってきたFW山田康太につながった。1人、2人とかわして中央までボールを運び、攻め上がってきた逆サイドのDF半田陸までパスが届くと、最前線にいた藤本はこの時点で「クロスが上がることはもう分かっていた」という。
同じように意図を感じたMF藤田息吹がスペースに走り込み、敵1人を引き付けた上で、さらに右のMF国分伸太郎にパス。「最後にどのタイミングで(DFの)前を取るかを意識した」という藤本が、ダイレクトの低いクロスに右足を振った。「活用したいスペースをしっかりと理解し、うまく使えた」と指揮官。後方からのビルドアップ(組み立て)を基本戦術とするチームが、目指してきた形で先行した。
今節から過密日程で組まれた5連戦がスタート。試合運びに課題を残しつつ、初陣の白星を逃さなかった。藤本は「勝ち点は確実に積み上がっている」と強調。出遅れたチームに、復調の兆しが見えてきた。
いいフットボールで複数点
ピーター・クラモフスキー監督の話 いいフットボールで前半から複数点を取ることができた。1点目はスペースを見ながらうまくボールを動かし、決めることができた。後半はコントロールを失った場面があった。私は完璧を求める人間で、後半もそういった戦いができれば良かった。
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