旧庄内藩主酒井家の入部400年を記念する事業の開始式が14日、鶴岡市の致道博物館で行われた。酒井家初代・忠次に焦点を当てた特別展が同館で開幕するなど、歴史・文化の継承、魅力発信に向けた取り組みが本格的に動き出した。
記念事業実行委員会(委員長・皆川治市長)が各種企画を展開していく。式には関係者約40人が出席。皆川市長と18代当主の酒井忠久館長があいさつし「庄内の歴史ある風土を未来につなげる」などと誓った。荘内藩甲冑(かっちゅう)研究会の演武に続き、全員で勝ちどきを上げた。
同館の特別展「徳川四天王筆頭酒井忠次」は節目にちなんだ企画展示の第1弾。戦功を上げて徳川家康を支えた忠次関連の品々を紹介している。同館所蔵の国宝の刀、重要文化財の甲冑や、ゆかりの地・愛知県岡崎市から借りた資料計63点を展示。イノシシを切ったとされる刀剣などが勇ましさを伝える。有力武将との外交交渉を担ってきた側面を伝える古文書もある。
特別展に合わせ、庄内地域の文化施設を巡るスタンプラリーもスタート。今後も、子ども向けの歴史講座や首都圏でのシンポジウムなどが準備されている。10月8日には荘銀タクト鶴岡(市文化会館)で記念式典・シンポジウムを開く。
開始式に合わせ、同館が再編・発行した「酒井家世紀」100冊が市に贈られた。酒井家歴代当主の歩みを時代に沿ってまとめた歴史書で、図書館やコミュニティセンターに置かれる予定。酒井館長は「若い世代に歴史を伝え、地域の発展につなげたい」と話した。
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